税金コードを使用するには

税金コードを使用して、税金の各タイプについて次の項目を指定します。

  • 各国の税率
  • 税金の計算方法
  • 税金の支払先である税務当局
  • 税額の転記先である元帳勘定
  • 税金が適用される請求書に印刷されるテキスト

税金の各タイプは税金コードで表されます。たとえば、税金コード VAT を使用して消費税を示し、DST を使用して仕向地の売上税を示すことができます。各税金コードについて、付加価値税 (VAT) タイプを選択する必要があります。このタイプにより、LN での税金の処理方法および税金の種類が定義されます。

税金プロバイダを使用すると、税率に関するデータは使用されません。税金プロバイダには、税額の計算に必要なすべてのデータが含まれており、その税額は LN に返されます。この場合でも、税金コードを定義して税額が転記される元帳勘定を指定する必要があります。

国別税金コード

各財務会社の本国とその国に適用される税金コードはリンクさせる必要があります。税金コードを国にリンクするには、国別税金コード (tcmcs0536m000) セッションを使用します。

単一税率

ある国の税金タイプが単一税率で構成されている場合、税金コードを単一税金コードとして定義できます。単一税率 (tcmcs0132m000) セッションで、税率、最大額、およびその他詳細を指定します。

複数税金コード

ある国の税金のタイプが複数の部分で構成され、各部分がそれぞれ異なる税務当局に支払われる場合、この国の税金を複数税金コードとして定義する必要があります。それぞれの部分について、複数税金コードライン (tcmcs0535m000) セッションで複数の税金コードラインを作成する必要があります。LN はそれぞれのラインに連番を割り当てます。

複数税金コードラインの税金は次の方法で計算できます。

  • 並列
    各ライン個別に計算します。
  • 累計
    前のラインの税額を含めます。

次に、複数税金コードライン (tcmcs0535m000) セッションで各複数税率コードラインの税率を指定します。

非課税の税金コード

LN では、使用可能な税金コードがないと、取引の作成、ファイナライズ、転記を行うことができません。このため、課税対象外の取引にも税金コードを定義する必要があります。非課税の取引に税金コードを定義するには、国別税金コード (tcmcs0136s000) セッションの非課税の税金コードチェックボックスをオンにします。

税率ゼロの税金コード

税金を支払う必要がない課税可能な取引は、課税不可能な取引ではなく、税率がゼロの取引とみなされます。このような取引については、税率ゼロの税金コードを設定する必要があります。

たとえば、次の理由によって免税がこれに該当します。

  • 商品またはサービスが課税可能ではない
  • 特定の国に対する商品転送、または特定の国からの商品転送が課税可能ではない
  • 取引が特定の状況のサービス組織に関連している
  • 取引先が免税証明書を所持している

通常、取引に課税されない場合、例外が明記された税法への参照や取引先の免税証明書番号など、追加情報を請求書に印刷する必要があります。税金のタイプによっては、税金コードにリンクされた理由コードを使用したり、テキストを税金コードにリンクしてこの情報を追加したりすることができます。

租税元帳勘定およびディメンション

LN での税額の転記先となる元帳勘定を財務会社ごとに指定する必要があります。システムの各財務会社で次のセッションを使用します。

ディメンションが租税元帳勘定にリンクされている場合、請求書については、LN により財務取引先グループ統制勘定からディメンションが導出されます。振替仕訳については、LN により仕訳帳の元帳勘定からディメンションが導出されます。

必須ディメンションが租税勘定にリンクされており、取引元帳勘定についてディメンションが定義されていない場合、LN では税金コードに対する転記データ (tfgld0171s000) セッションまたは複数税金コード用転記データ (tfgld0170s000) セッションに指定されたディメンションを使用します。

転嫁型租税

付加価値税の支払責任は、発注先から顧客に転嫁されることがあります。このような状況で、転嫁型 タイプの付加価値税コードを定義できます。LN は、こうして算出された税額を請求額には追加せず、別の元帳勘定に転記しておき、後で処理します。

転嫁型租税の金額は、売上税勘定または購買税勘定に転記されます。この処理と同時に、転嫁型租税の評価勘定に対する振戻仕訳が生成されます。税金分析では、税額は次のように 2 回含められます。

  • 購買税勘定または売上税勘定の仕訳として
  • 「転嫁型購買税」 勘定または 「転嫁型売上税」 勘定の振戻仕訳として

転嫁型税金コードの使用

特に、転嫁型税金は次のように使用されます。

  • 転嫁型租税は、外注先から元請業者への請求書に課税される税金の支払責任に関連した法律にもとづいたもので、オランダで使用されます。
  • 欧州連合 (EU) では、他の EU 諸国からの購買請求書に転嫁型税金を使用できます。そのような購買請求書は税金を記述しませんが、転記の際は、国の税率に対して架空の税額を用いて計算する必要があります。この税額は、請求可能および支払予定の両方として税務申告に含まれます。
  • 購買の直接支払売上税コードは、転嫁型タイプでなければなりません。
グループ税金コード

グループ税金コードは、複数の個別税金コードを取引にリンクさせる方法です。付加価値税や売上税に加え、源泉徴収税や源泉社会献金が請求書に適用される場合、グループ税金コードを使用することができます。

グループ税金コードには、次のものが含まれている必要があります。

  • 税金の種類が VAT である1 つの税金コード、付加価値税または売上税の設定
  • 次のいずれかの値です。

    • 次の種類のうち、1 つまたは複数の税金コード (必要に応じて)
      • 源泉所得税
      • 源泉徴収社会献金
      • 社会献金 (会社経費)
    • 1 つまたは複数の源泉徴収から除く税金コード

請求書の支払が源泉徴収税および源泉社会献金の対象となることが請求元取引先の税金分類で示されている場合、LN でグループ税金コードをその取引にリンクすることができます。

取引先の税金分類に対応するグループ税金コードは、LN によって検証されます。たとえば、源泉所得税は適用されるが、源泉徴収社会献金は適用されないことが税金分類で示されている場合、グループ税金コードには、源泉所得税タイプの税金コードを含める必要はありますが、源泉徴収社会献金タイプまたは社会献金 (会社経費) タイプの税金コードを含めることはできません。

グループ税金コードは、次のタイプの取引にのみ使用することができます。

  • 原価品目およびサービス品目の購買請求書。請求書は自己請求書であってはなりません。
  • 原価品目およびサービス品目の購買オーダ
税務当局

特定地域の売上税について管轄権を有する政府機関が税務当局となります。たとえば、カリフォルニア州、オンタリオ州、デイド郡およびアトランタ市など。

LN では、税務当局コードおよび税務当局グループを使用して、特定の税金コードまたは税金コードレベルの管轄区域を識別します。必要に応じて、単一税金コードまたは複数税金コードのラインに税務当局をリンクさせることができます。

税金分析レポートデータを選択し、税務当局コードおよび税務当局グループごとにソートして、税務当局または税務当局グループにリンクするすべての税金コードに対して直ちに税率を更新できます。

品目の税金コード

次のセッションでは、デフォルトの税金コードを品目にリンクしたり、特定のサービス部署からのサービスオーダや契約などにリンクしたりすることができます。

  • 販売オーダの場合:
    品目 - 販売デフォルト (tdisa0102s000) および品目 - 販売 (tdisa0501m000)
  • 購買オーダの場合:
    品目 - 購買デフォルト (tdipu0102m000) および品目 - 購買 (tdipu0101m000)
  • サービスオーダの場合:
    サービス部署 (tsmdm1100m000)

付加価値税の場合、税金コードが必要なセッションや取引では、デフォルトの税金コードを LN に表示することができます。標準検索オーダを使用すると、LN によって次のセッションから、次の順序で税金コードが取得されます。

  1. 税金処理 (tctax0138m000)
    課税国と品目の組合せの税金コード (指定している場合)
  2. 品目 - 販売 (tdisa0501m000)
    品目の税金コード (指定している場合)
  3. 税金処理 (tctax0138m000)
    課税国と空の品目フィールドに対して定義する税金コード