予測方法: 多項式回帰

LN は、需要履歴データに一致する n 次多項式にもとづき、多項式回帰予測方法にしたがって需要予測を計算します。

この予測方法の関連パラメータは次のとおりです。

  • 多項式回帰の累乗数
  • 季節変動影響タイプ
  • 季節変動サイクル時間
  • 予測パラメータの自動更新

計画品目 - 予測設定 (cpdsp1110m000) セッションでこれらのパラメータをメンテナンスできます。

多項式の次数は多項式回帰の累乗数フィールドで指定されます。予測パラメータの自動更新チェックボックスをオンにすると、LN が多項式の最適な次数を決定します。

傾向調整済み平均需要

最初に、関連期間に対する傾向調整済み平均需要で、需要履歴の数字を調整します。

季節変動の影響なし:

TD(t) = AV

線形傾向の影響あり:

TD(t) = CS + TF x t

累進傾向の影響あり:

TD(t) = BS x TF ^ (t-1)DM(t) = AD(t) - TD(t)

DM(t)期間 t の傾向調整済みの平均需要
TD(t)期間 t の傾向ベースの需要
AD(t)期間 t の実際需要
AV平均需要 (*)
CS一定需要
BS期間 1 の見積需要
TF傾向係数

 

(*) 平均需要は、期間ごとの履歴需要の数字を合計したものを、需要履歴を持つ期間数で割って決定されます。

多項式の係数

LN は、多項式回帰方法で多項式の係数を計算します。多項式回帰の詳細は関連トピックを参照してください。

需要予測

LN は、過去の平均ノイズで増大した、対象期間に対する傾向調整済み平均需要にもとづいて、各予測期間に対する需要を計算します。

ノイズ

ノイズは、決定した傾向と比較される需要データの変動です。平均ノイズは、前の季節サイクルの整数である履歴期間を基準に、各予測期間に対して決定されます。

注意

季節変動影響タイプフィールドが適用なしの場合、LN は、最大の季節の長さが履歴需要を持つ期間数の 4 分の 1 である、架空の季節サイクルを想定します。

図 1 は、2 つの季節サイクルの需要履歴データを示します。これらは 8 つの予測期間で構成されます。期間 9 が現在の期間です。

図 1
図 1
SCT季節変動サイクル時間

図 2 は、多項式回帰で決定される多項式を示します。

図 2
図 2

各履歴期間について、多項式基準の需要が需要の傾向と比較されます。次の公式によって特徴づけられる、線形傾向が存在するものと仮定します。

TD(t) = CS + TF x t

TD(t)期間 t の傾向ベースの需要
CS一定需要 (= 54)
TF傾向係数 (= 2)
期間多項式傾向ノイズ
14556-11
25358-5
37660+16
47062+8
54964-15
65566-11
77868+10
87070+0

 

これらの差異にもとづく平均ノイズは、傾向調整済み需要に追加されます。たとえば、予測期間 9 の平均ノイズは、期間 1 と 5 のノイズの平均です。

予測期間傾向平均ノイズ基準となる期間予測需要
972-131,559
1074-82,666
1176+133,789
1278+44,882
1380-131,467
1482-72,675

 

結果を図 3 に示します。

図 3
図 3