共有メモリ

共有メモリは、共用を目的とした物理メモリの一部です。プログラムは共有メモリを介して相互に通信します。共有メモリを使用すると、ここにロードされている構成要素に高速でアクセスできます。LN システムのパフォーマンスを向上させるには、プログラムオブジェクトとレポートオブジェクトをロードして共有メモリに入れます。共有メモリを設定および初期化する前に、ハードウェアと内蔵メモリが十分であることを確認します。

オブジェクトをロードして共有メモリに入れるには

LN のインストール後、各種オブジェクトが共有メモリにすでに入っています。

このセクションでは、追加オブジェクトをロードして共有メモリに入れる手順を説明します。

LN では、多数の DLL を使用します。そのため、どのオブジェクトをロードして共有メモリに入れるべきかを決定することは困難です。共有メモリに補充する前に、測定ツールを使用して、頻繁に使用されるオブジェクトで、共有メモリにロードする対象として適したものを識別できます。

測定情報に基づいて設定された共有メモリを使用すると、LN アプリケーションの処理速度が向上します。

ステップ 1. ログを起動する

オブジェクトの使用量について統計を集計するために、ログのパラメータ (ttaad4153m000) セッションを開始します。

オプションで、クリーンアップをクリックして、現在保存されている共有メモリの測定データを削除します。

共有メモリログが発生する時間枠を指定します。時間枠が指定されない場合、ログは実行されません。

ログのパラメータを指定後に、ランタイムに変換をクリックします。ランタイムに変換コマンドは、マスターアプリケーションサーバ上でのみ実行できます。

測定は、変換が実行された後で開始されたすべての bshell について開始され、定義されている時間枠が考慮されます。bshell のログ済情報は、bshell が閉じられたときに保存されます。

詳細は、このセッションのヘルプを参照してください。

ステップ 2. オブジェクト使用量統計を表示する

共有メモリの計測期間の終了後、共有メモリオブジェクト計測 (ttaad4152m000) セッションを開始します。

セッションの目的: bshell 内のオブジェクト使用量についての統計を表示します。セッションでは、測定期間中にオブジェクトがロードされた回数が表示されます。この情報は、頻繁に使用されるオブジェクトで、ロードして共有メモリに入れる必要があるものを識別するうえで役立ちます。

オプションで、出力をクリックして、共有メモリオブジェクト測定レポートを出力します。

オプションで、適切なメニューでクリーンアップをクリックして、共有メモリ測定データを削除します。

詳細は、このセッションのヘルプを参照してください。

ステップ 3. オプション: パッケージコンビネーション用に共有メモリを取得する

共有メモリデータ (ttaad4156m000) セッションを開始し、取得をクリックします。T取得済共有メモリ (ttaad4155m000) セッションが開始されます。パッケージコンビネーションごとに、共有メモリ内でのオブジェクト使用量のために取得されたメモリの量 (MB 単位) を指定します。

詳細は、このセッションのヘルプを参照してください。

注意: このステップはオプションです。パッケージコンビネーションにメモリを設定しない場合、またはパッケージコンビネーションに 0 MB を設定した場合は、そのパッケージコンビネーション用の共有メモリに制限はありません。

ステップ 4. 共有メモリデータを指定する

共有メモリデータ (ttaad4156m000) セッションを開始します。このセッションでは、次の方法で共有メモリデータを指定できます。

測定からオブジェクトをインポートする

(推奨)

適切なメニューで、計測からのオブジェクトのインポートをクリックします。計測からのオブジェクトのインポート (ttaad4255m000) セッションが開始されます。

セッションの目的: 次のいずれかを行います。

  • プログラムオブジェクトやレポートオブジェクトの範囲を指定して、オブジェクト計測から共有メモリデータにインポートする。
  • 取得済共有メモリ (ttaad4155m000) セッションに定義した取得メモリのサイズに達するまで、最も頻繁に使用するオブジェクトをインポートする。これを行うには、残りの取得済メモリを、最多回数のオブジェクトに使用するチェックボックスをオンにする必要があります。オブジェクトに 「固定」 のマークが付けられている場合を除き、現在の共有メモリデータが最初に削除されます。

    このオプションをお勧めします。最も頻繁に使用されるオブジェクトを共有メモリに補充すると、LN アプリケーションの処理速度が向上します。

DD からオブジェクトをインポートする

適切なメニューで、DD からのオブジェクトのインポートをクリックします。DD からのオブジェクトのインポート (ttaad4254m000) セッションが開始されます。セッションの目的: 範囲を指定して、プログラムオブジェクトやレポートオブジェクトをデータディクショナリ (DD) から共有メモリデータにインポートします。

オブジェクトをマニュアルで追加する

オブジェクトをグリッドにマニュアルで入力するには、新規をクリックします。

 

注意

  • パッケージコンビネーションについて 1 つまたは複数のオブジェクトが定義されている場合、そのパッケージコンビネーションのドメインおよびテーブル定義も、ロードされて共有メモリに入れられます。個別のドメインおよびテーブル定義は追加できません。
  • ツールオブジェクト (パッケージ tt および tl のオブジェクト) は、1 つのパッケージコンビネーションに属するわけではないので、ダミー <空> のパッケージコンビネーションに格納されます。ロードして共有メモリに入れるツールオブジェクトのリストを作成する場合は、パッケージコンビネーションフィールドを空のままにします。
  • オブジェクトに 「固定」 のマークを付けることができます。残りの取得済メモリを、最多回数のオブジェクトに使用するチェックボックスがオンの状態で計測からのオブジェクトのインポート (ttaad4255m000) セッションを実行する場合、固定オブジェクトは共有メモリから削除されません。

詳細は、このセッションのヘルプを参照してください。

ステップ 5. 共有メモリデータをランタイムに変換する

共有メモリデータ (ttaad4156m000) セッションで、適切なメニューのランタイムに変換をクリックします。このコマンドは、マスターアプリケーションサーバ (MAS) として定義されたホスト上でのみ実行できます。

変換が完了したら、OK をクリックしてセッションを終了します。

ステップ 6. 共有メモリを再度開始する

共有メモリを再開する手順は、LN サーバのオペレーティングシステムにより異なります。

オペレーティングシステム手順
Windows

共有メモリを再開するには、次のステップを実行します。

  1. Enterprise Server Service Manager を開始します。
  2. Shared Memory Service を右クリックし、ショートカットメニューで停止をクリックします。
  3. Shared Memory Service をもう一度右クリックし、ショートカットメニューで開始をクリックします。
UNIX

共有メモリを再開するには、次のステップを実行します。

  1. LN からログオフします。
  2. LN サーバにユーザ root としてログオンします。
  3. 次のコマンドを入力します。

    # cd $BSE/bin

    # ./srdd_init6.2 -i

 

注意

共有メモリの詳細については、Infor10 ERP Enterprise Server (LN) Technical Manual (U8172 US) を参照してください。