複数会社構造をコピーするには - 例

この例では、中央 DEM 会社を含む複数会社構造全体を、独自の中央 DEM 会社を持つ新規複数会社構造にコピーする方法を説明します。

以下のマルチサイト設定について考えます。
マルチサイトの設定例
マルチサイトの設定例

以下の点に注意します。

  • 会社 400 は企業モデルデータを含む中央 DEM 会社です。企業モデルデータは、構造内のすべての会社が共有します。
  • 各企業単位は、構造内の 1 つの会社のエンティティを含みます。たとえば、EU_B は会社 401 のロジスティックエンティティを含みます。したがって、会社 401 のロジスティックエンティティ (倉庫や部署など) は、この企業単位への参照を含みます。注意: 企業単位のコードは複数会社構造内で一意です。したがって、中央 DEM 会社 400 を含む複数会社構造全体をコピーする場合、企業単位のコードを変更する必要はありません。この例においてこれらのコードは新規コピー先構造においても一意だからです。
  • 会社 401、402 および 403 に含まれる論理テーブルは、すべて会社 400 の物理テーブルにリンクされます。
  • 会社 400 は論理テーブルを含みません。

この設定を以下のようにコピーしたいとします。

  • 会社 400 を会社 600 にコピーする
  • 会社 401 を会社 601 にコピーする
  • 会社 402 を会社 602 にコピーする
  • 会社 403 を会社 603 にコピーする

会社 600 は新規構造の中央 DEM 会社です。

この結果、構造は下図のようになります。
新規複数会社構造
新規複数会社構造

会社 600 は企業モデルデータを含む中央 DEM 会社です。企業モデルデータは、新規構造内のすべての会社が共有します。各企業単位は、構造内の 1 つの会社のエンティティを含みます。たとえば、EU_B は会社 601 のロジスティックエンティティを含みます。したがって、会社 601 のロジスティックエンティティ (倉庫や部署など) は、この企業単位への参照を含みます。

注意

注意: 企業単位のコードは新規複数会社構造内で一意です。ソース複数会社構造の企業単位の (同一の) コードと競合することはありません。

手順概要

ソース構造からコピー先構造にデータをコピーするには、以下のステップを実行します。

  1. コピー先の会社 600、601、602 および 603 を作成します。
  2. 会社 601、602 および 603 について論理テーブルを定義します。
  3. コピー元の会社 400、401、402 および 403 からデータをエクスポートします。
  4. 会社番号を修正します。
  5. 会社 600、601、602 および 603 にデータをインポートします。
  6. 会社 600、601、602 および 603 について、不足しているテーブルを作成する
  7. 会社 600 をすべてのコピー先会社の中央 DEM 会社として定義します。
  8. 会社 400 (ソースの中央 DEM 会社) からバージョンおよびモデルデータをエクスポートします。
  9. 会社 600 (コピー先の中央 DEM 会社) にバージョンおよびモデルデータをインポートします。
  10. コピー先複数会社構造において企業単位の財務会社番号を修正します。
  11. コピー先の複数会社構造について、運用する企業モデルおよびバージョンを指定します。
  12. 会社 600、601、602 および 603 についてテーブルを再編成し、参照カウンタを修復します。

詳細は以下のセクションを参照してください。

手順詳細
ステップ 1. ソース会社 600、601、602 および 603 を作成します。

会社 (ttaad1100m000) セッションを使用して、コピー先の会社 600、601、602 および 603 を作成します。変更をランタイムに変換し、bshell を再起動します。

ステップ 2. 会社 601、602 および 603 について論理テーブルを定義します。

注意: ソース環境において、会社 401、402 および 403 は論理テーブルを含みます。これらの論理テーブルはすべて会社 400 の物理テーブルにリンクされます。会社 400 には論理テーブルは含まれません。

論理テーブル (ttaad4120m000) セッションを実行して、新規会社 601、602 および 603 について論理テーブルを定義します。

以下の点に注意します。

  • 各コピー先会社についての論理テーブルのセットは、対応するソース会社のセットと同じでなくてはなりません。たとえば、会社 601 の論理テーブルのセットは会社 401 のセットと同一で、物理会社のみ異なる必要があります。
  • 論理テーブルをすべて、物理会社 600 にリンクする必要があります。
  • 変更内容をランタイムデータディクショナリに変換し、bshell を再開して新規設定をロードします。

注意: 新規複数会社構造の会社は、少なくとも tccom000 (実装済ソフトウェア構成要素) テーブルおよび tcemm170 (会社) テーブル、およびそれらの参照テーブルを共有する必要があります。

ステップ 3. ソース会社 400、401、402 および 403 からデータをエクスポートします。

ソース会社 400、401、402 および 403 から順編成ファイルにデータを抽出します。企業モデル (tg) パッケージからはデータをエクスポートしないでください。

会社 400

会社 400 のデータを抽出するには、テーブルの順編成ダンプの作成 (ttaad4226m000) セッションを 2 度実行する必要があります。

最初のエクスポートでは以下の設定を使用します。

テーブルの順編成ダンプの作成 (ttaad4226m000)
フィールド
会社400-400
パッケージaa-tf
テーブル<空白> - zzz999
エラーメッセージを抑制いいえ
ダンプ後にテーブルを削除いいえ
固定長レコードを作成いいえ
フィールド区切りを指定はい
| (パイプライン)
テーブルファイルのディレクトリ/tmp/400
ダンプファイルの基本名<空>
エラーファイル名/tmp/err400-1

 

2 番目のエクスポートでは、以下を除き、最初と同じ設定を使用します。

  • パッケージ範囲: th-zz
  • エラーファイルについて次のように異なる名前を入力します: /tmp/err400-2

残りの会社

同じ手順で、会社 401、402 および 403 からデータを抽出します。

以下の点に注意します。

  • 各会社ごとに異なるディレクトリを指定します。会社 401、402 および 403 に対してそれぞれ /tmp/401、/tmp/402 および /tmp/403 を指定します。
  • 各エクスポートごとにエラーファイルに対して異なる名前を入力します。

ステップ 4. 会社番号を修正する

会社データのコピー (tccom0214m000) セッションを実行して、順編成ファイル中の会社番号の参照を修正します。ソース会社 400、401、402 および 403 への参照を、それぞれコピー先会社 600、601、602 および 603 への参照に変更する必要があります。

会社 400

会社 400 の順編成ファイル内の会社番号参照を修正するには、

  1. 会社 400 に切り替えます。
  2. 以下の設定を使用してセッションを実行します。
会社データのコピー (tccom0214m000)
フィールド
フィールド区切りを指定| (パイプライン)
テーブルファイルのディレクトリ/tmp/400
コピー対象の会社はい
400>600;401>601;402>602;403>603
コピー対象の企業単位いいえ

 

残りの会社

あと 3 回セッションを実行して、会社 401、402 および 403 の順編成ファイルを修正します。以下の点に注意します。

  • セッションを実行する前に、該当するソース会社番号に切り替える必要があります。たとえば、会社 401 から抽出されたファイルを修正するには、セッションを実行する前に会社 401 に切り替える必要があります。
  • テーブルファイルのディレクトリは会社番号ごとに異なります。会社 401、402 および 403 のファイルのディレクトリはそれぞれ、/tmp/401、/tmp/402 および /tmp/403 です。
  • 残りの設定は、上の例の設定とまったく同じにする必要があります。
ステップ 5. 会社 600、601、602 および 603 にデータをインポートする

順編成ダンプからのテーブルの作成 (ttaad4227m000) セッションを実行して順編成ファイルの内容をコピー先会社にインポートします。

会社 600

次の表は、会社 600 にデータをロードする場合に使用する設定を示しています。

順編成ダンプからのテーブルの作成 (ttaad4227m000)
フィールド
異なる会社に対してテーブルを作成はい
600
テーブルがある場合は追加いいえ
既存テーブルを削除いいえ
インデックスの前に行を作成はい
ドメイン制約を無効にするいいえ
参照整合制約を無視するはい
順編成ファイルのフィールド区切りを指定はい
| (パイプライン)
テーブルファイルを検索するディレクトリ/tmp/400
テーブル名と一致するパターン*
未作成テーブル名を保存するファイルいいえ
エラーファイル名/tmp/err_imp600

 

残りの会社

同じ手順を使用して、会社 601、602 および 603 にデータをインポートします。以下の点に注意します。

  • テーブルファイルを検索するディレクトリ は各会社ごとに異なります。
    • /tmp/401 は会社 601 にロードされるファイルを含みます。
    • /tmp/402 は会社 602 にロードされるファイルを含みます。
    • /tmp/403 は会社 603 にロードされるファイルを含みます。
  • インポートごとに、異なるエラーファイル名を入力します。

ステップ 6. 会社 600、601、602 および 603 について、不足しているテーブルを作成する

テーブルの作成 (ttaad4230m000) セッションを実行して、会社 600、601、602 および 603 について不足テーブルを作成します。以下の設定を指定します。

テーブルの作成 (ttaad4230m000)
フィールド
会社600 - 603
パッケージ<空白> - zz
テーブル<空白> - zzz999

 

ステップ 7. 会社 600 を中央 DEM 会社として定義する

会社 600 をすべてのコピー先会社の中央 DEM 会社として定義します。

コピー先会社それぞれ (600、601、602 および 603) に対して、以下のステップを繰り返します。

  1. 新規コピー先会社に切り替えます。
  2. エンタープライズモデラデータを保存する中央会社 (tgbrg0100s000) セッションを実行します。会社 600 を中央 DEM 会社として指定します
ステップ 8. バージョンおよびモデルデータをエクスポートする

会社 400 (ソースの中央 DEM 会社) からバージョンおよびモデルデータをエクスポートします。

以下の手順を行います。

  1. 会社 400 に切り替えます。
  2. バージョンダンプのエクスポート (tgbrg1235m000) セッションを実行して、バージョンおよびモデルデータをエクスポートします。以下の点に注意します。
    • エクスポートするバージョンを選択します。
    • ダンプファイルの名前とパスを指定します。
    • すべてのタブではいをクリックします。
    • エクスポートプロセス中に質問が表示されたら、はいをクリックします。
ステップ 9. バージョンおよびモデルデータをインポートする

会社 600 (コピー先の中央 DEM 会社) にバージョンおよびモデルデータをインポートします。

以下の手順を行います。

  1. 会社 600 に切り替えます。
  2. バージョンダンプのインポート (tgbrg1245m000) セッションを実行して、バージョンおよびモデルデータをエクスポートします。以下の点に注意します。
    • エクスポートプロセスで作成されたダンプファイルの名前とパスを指定します。
    • すべてのタブではいをクリックします。
    • インポートプロセス中に質問が表示されたら、はいをクリックします。
ステップ 10. 企業単位の財務会社番号を修正する

コピー先複数会社構造において企業単位の財務会社番号を修正します。

  1. コピー先会社の 1 つに切り替えます。
  2. 企業構造モデル (tgbrg0512m000) セッションを実行します。
  3. 現行バージョン (ステップ 9 でインポートされたバージョン) を指定します。インポートされた企業構造モデルが表示されます。
  4. モデルを選択し、次に特定メニューで企業構造モデルの参照をクリックします。グラフィカルブラウザに企業単位が表示されます。
  5. 各企業単位について以下のステップを繰り返します。
    • 企業単位を選択します。
    • 特定メニューで詳細をクリックします。ダイアログが開始します。
    • 403 (元の財務ソース会社) を 603 (コピー先の財務会社) に置き換えます。
ステップ 11. 運用する企業構造モデルおよびバージョンを指定します。

コピー先の複数会社構造について、運用する企業モデルおよびバージョンを指定します。

  1. 会社 600 に切り替えます。
  2. DEM パラメータ (tgbrg0135s000) セッションを実行します。
  3. 運用する企業構造モデルおよびバージョン (ステップ 9 でインポートしたモデルおよびバージョン) を指定します。
ステップ 12. テーブルを再編成し、参照カウンタを修復する

会社 600、601、602 および 603 についてテーブルを再編成し、参照カウンタを修復します。

テーブルの再編成 (ttaad4225m000) セッションを実行して、会社 600、601、602 および 603 のテーブルを再編成し、参照カウンタを修復します。

以下の設定を指定します。

テーブルの再編成 (ttaad4225m000)
フィールド
会社600 - 603
パッケージ<空白> - zz
テーブル<空白> - zzz999
データとインデックスいいえ
参照整合性はい
参照の正当性を検査いいえ
参照カウンタを修復はい
その他のすべてのチェックボックスいいえ