輸入仕入原価 – 事前出荷通知

ここでは、輸入仕入原価事前出荷通知との組合せでどのように使用されるかを説明します。

ASN ヘッダ

ASN は、出荷通知 (whinh3600m000) セッションで作成されます。ASN ヘッダに記入できるのは、計算方法フィールドが固定額に設定され、固定額レベル出荷通知または入庫ヘッダに設定されている輸入仕入原価ラインに限られています。

ASN ヘッダが作成されると、ASN にリンクされた最初の購買オーダから固定額がコピーされます。最初の ASN ラインが購買プッシュスケジュールまたは購買プルスケジュールラインにリンクされている場合、購買スケジュールの ASN が作成されると、ASN ヘッダの輸入仕入原価が輸入仕入原価マスタデータから取得されます。輸入仕入原価は、出荷通知ヘッダごとの固定額、または入庫ヘッダごとの固定額のいずれかで、使用対象フィールドがスケジュールまたはスケジュールおよびオーダラインに設定された輸入仕入原価に属している必要があります。

輸入仕入原価は、出荷通知 (whinh3600m000) セッションの ASN ヘッダにリンクされている輸入仕入原価ライン (tclct2100m000) セッションに保存されます。

ASN ライン

ASN ラインを作成すると、ヘッダ輸入仕入原価が各ラインに分割されます。ASN ヘッダに記入できるのは、計算方法フィールドが固定額に設定され、固定額レベル出荷通知または入庫ヘッダに設定されている輸入仕入原価ラインに限られています。これにより、ヘッダ輸入仕入原価は常に各 ASN ラインに配分されるため、ラインと同期することができません。詳細は、次の情報を参照してください: 輸入仕入原価 – 固定額

配分が終了すると、輸入仕入原価は、出荷通知 - ライン (whinh3101m000) セッションの ASN ラインにリンクされている輸入仕入原価ライン (tclct2100m000) セッションに保存されます。

配分されたヘッダ基準の固定額に加え、次の輸入仕入原価も ASN ラインにリンクされます。

  • ASN ラインが購買オーダラインにリンクされている場合は、購買オーダラインにリンクされているすべての輸入仕入原価ライン。これらの輸入仕入原価ラインの場合、輸入仕入原価ライン発生元オーダラインです。
  • ASN ラインが購買プルスケジュールラインにリンクされている場合は、購買プルスケジュールラインにリンクされているすべての輸入仕入原価ライン。これらの輸入仕入原価ラインの場合、輸入仕入原価ライン発生元スケジュールラインです。
  • ASN ラインが購買プッシュスケジュールにリンクされている場合、適用可能な輸入仕入原価はマスタデータからコピーされます。これらの輸入仕入原価ラインの場合、輸入仕入原価ライン発生元マスタデータです。
注意

理論的には、複数の購買オーダまたはスケジュールは、出荷通知によって複数の固定額を保持できます。これらの購買オーダ/スケジュールは同一の ASN にリンクできます。ただし、作成される出荷通知または入庫ヘッダによって固定額を決定できるのは 1 つの購買オーダ/スケジュール (ライン) だけです。そのため、ASN にリンクされている最初の購買オーダ/スケジュール (ライン) によって固定額が決まります。その他のオーダ/スケジュールは無視されます。

ASN ヘッダ輸入仕入原価の ASN ラインへの配分

固定ヘッダ輸入仕入原価のラインへの配分は、次の場合にだけ実行されます。

  • マニュアル入力した ASN が (再) スケジュールされた
  • ASN (改訂) の作成後、ASN が EDI から生成された

配分処理では、直送、プロジェクト入庫、原価品目入庫などの倉庫オーダ以外の ASN ラインも考慮されます。ただし、入庫オーダラインにリンクされていない予測外の ASN ラインは、輸入仕入原価を保持できないため、配分処理ではスキップされます。

EDI を使用した ASN の入庫

改訂された ASN メッセージを受信すると、前の ASN は状況が交換済となり、状況が計画済の新しい ASN が作成されます。取り消された ASN メッセージを受信すると、ASN の状況は取消済になります。

改訂された ASN の場合、輸入仕入原価ラインは次のように処理されます。

  • ASN ヘッダ輸入仕入原価ライン
    以前の ASN が取り消された場合を除き、以前の ASN ヘッダの輸入仕入原価ラインが新しい ASN 改訂にコピーされます。この方法で、マニュアルで変更または追加した輸入仕入原価が保持されます。
  • ASN ライン輸入仕入原価ライン
    以前の ASN ラインの輸入仕入原価ラインが新しい ASN 改訂にコピーされます。数量基準の輸入仕入原価ラインは、EDI メッセージで新たに受け取った数量に基づいて更新されます。
  • 以前の ASN が取り消され、状況が計画済の新しい ASN が作成されると、輸入仕入原価ラインは前の取り消された ASN からではなく、関連する発生元からコピーされます。
  • 新しい ASN 改訂に、前の ASN には含まれていなかった新しい ASN ラインが含まれる場合、これらの新しい ASN ラインの輸入仕入原価は関連する発生元からコピーされます。
  • 新しい ASN 改訂に前の ASN には含まれていた ASN ラインが含まれていない場合、消失した ASN ラインは再作成されず、リンクされていた輸入仕入原価ラインは失われます。
  • ASN ヘッダと ASN ラインが EDI メッセージから作成された後、ヘッダ輸入仕入原価が各ラインに配分されます。
ASN の輸入仕入原価ラインのメンテナンス

出荷通知別輸入仕入原価ライン (tclct2100m200) セッションを使用して、輸入仕入原価ラインをマニュアルで変更、追加、取消、または削除できます。

輸入仕入原価ラインのメンテナンスができるのは、ASN レベルで次の内容に該当する場合に限ります。

  • ASN ヘッダ
    どの ASN ラインにも入庫がリンクされていない
  • ASN ライン
    ASN ラインに入庫がリンクされていない

出荷通知別輸入仕入原価ライン (tclct2100m200) セッションで輸入仕入原価ラインを変更または取り消して、適切なメニューすべてに適用をクリックすると、ラインに加えられた変更は、輸入仕入原価コード輸入仕入原価タイプ、および購買元取引先の同じ組合せを持つ ASN の他のすべてのラインでも処理されます。新しい輸入仕入原価ラインを追加する場合、この輸入仕入原価ラインを、輸入仕入原価ラインがまだリンクされておらず、そのため、輸入仕入原価コードタイプ、および購買元取引先の組合せが存在しない他のすべての ASN ラインに自動的に追加できます。

注意

固定額レベルが出荷通知または入庫ヘッダのライン輸入仕入原価は、ASN ヘッダレベルでのみ取り消すことができます。