パラメータおよびマスタデータのコピー

アーカイブ会社が機能するためには、マスタデータやパラメータデータなどの必須基本データがアーカイブ会社に存在する必要があります。一般データは、アーカイブされたデータを参照するために必要な静的データを表します。通常、一般データは、関連するアーカイブセッションでコピーされます。一般データのコピー処理は、通常、アーカイブセッションが起動されるたびに実行されます。コピーする一般データの量によって、この処理に時間がかかる場合があります。この一般データのアーカイブにかかる時間を短縮するためのさまざまなヒントを以下に示します。

多くのアーカイブセッションには、一般データをアーカイブする必要があるかどうかを指定する一般データをアーカイブチェックボックスがあります。たとえば、単一のジョブで複数のアーカイブセッションを実行する場合は、倉庫管理など、特定の機能ドメインについて 1 回だけ一般データをアーカイブすれば十分です。その場合、機能ドメインの最初のセッションでのみこのチェックボックスをオンにし、ジョブ内の以降のセッションではこのチェックボックスをオフのままにします。これで、同じマスタデータを繰り返しアーカイブすることがなくなり、一般データのアーカイブにかかる時間を短縮できます。

別の方法として、より直接的なデータベースユーティリティを使用して一般データをアーカイブすることもできます。その場合は、実働会社の一般データからフラットファイルを作成し、アーカイブ会社にこのフラットファイルを読み込みます。これは、次の 2 つの方法で行うことができます。

  • 方法 1:通常のセッションを使用して一般データをコピーする。テーブルの順編成ダンプの作成 (ttaad4226m000) セッションを使用して実働会社からデータを書き出し、順編成ダンプからのテーブルの作成 (ttaad4227m000) セッションを使用してアーカイブ会社にこのデータを読み込みます。関係するテーブルが連続した範囲になっていないため、このプロセスを何度も繰り返さなければならないという問題があります。
  • 方法 2:bdbpre および bdbpost ツールを使用して一般データをコピーする。bdbpre および bdbpost コマンドを使い慣れている場合は、これによって時間を短縮できます。
注意

次のテーブルは実働会社からアーカイブ会社にコピーしないでください。

  • グループ会社別財務会社 (tfgld001)
  • グループ会社パラメータ (tfgld003)
  • 財務会社 (tfgld004)

詳細は、次の情報を参照してください: この章の会社パラメータ (tfgld0503m000) セッションおよびグループ会社パラメータ (tfgld0501m000) セッション

方法 1:通常のセッションを使用して一般データをコピーする

パス://ツール/データベース管理/データベースユーティリティ

手順 (実働会社または 000 の会社)

ステップ 1. 

テーブルの順編成ダンプの作成 (ttaad4226m000) セッションを使用して、実働会社のデータをダンプファイルに書き出します。

  • (実働) 会社を指定し、ダンプファイルを作成する 1 つのテーブルまたはテーブルの範囲を入力します。
  • セッションの 2 番目のタブで、ダンプファイル名およびエラーログファイル名を指定します。この 2 つのファイルは、ホームディレクトリまたはテーブルファイルのディレクトリフィールドに入力したディレクトリに書き出されます。

ダンプファイル名には、自動的に拡張子が追加されます。ピリオドの後に会社番号が続きます。

ステップ 2. 

前の手順で書き出したデータを、アーカイブ会社に読み込みます。

パス://ツール/データベース管理/データベースユーティリティ

手順 (実働会社または 000 の会社)

順編成ダンプからのテーブルの作成 (ttaad4227m000) セッションを使用して、次のように、以前に作成したダンプをアーカイブ会社に読み込むことができます。

ステップ 1. 

異なる会社に対してテーブルを作成チェックボックスをオンにし、新規アーカイブ会社の会社番号を入力します。

参照整合制約を無視するチェックボックスをオンにする必要があります。オンになっていないと、順編成ダンプからテーブルを作成するときに 606 エラーが生成される場合があります。このため、システムによって bdpost6.2 エラーメッセージが返される場合があります。

ステップ 2. 

前のセクションで作成した必須テーブルのすべてのダンプについて、この操作を繰り返します。また、ダンプの読み込み時に作成されるエラーログファイルの名前も指定する必要があります。

参照整合制約を無視するチェックボックスをオンにする必要があります。オンになっていないと、順編成ダンプからテーブルを作成するときに 606 エラーが生成される場合があります。このため、システムによって bdpost6.2 エラーメッセージが返される場合があります。

「Error in running bdbpost6.2」 エラーになる場合、ホームディレクトリのエラーファイルに次のようなエラーメッセージが表示されています。

Default separator ('\0') taken

Table M Idx RowCount Messages

----------- - --- -------- ----------------------

tcmcs010999 R 1 1 write error 606

ステップ 3. 

次のように、参照整合性および参照カウンタを修復チェックボックスをオンにして、テーブルの再編成 (ttaad4225m000) セッションを実行します。会社番号は、アーカイブ会社の会社番号でなければなりません。

方法 2:bdbpre および bdbpost ツールを使用して一般データをコピーする

前述のパラメータおよび一般データを実働会社からアーカイブ会社にコピーするには、copy.erpln.data などの ASCII ファイルを構成して、必要なすべてのテーブル (第 5 章および第 6 章に記載) をリストすることができます。このファイルおよび bdbpre コマンドを使用して、ダンプファイルにテーブルをダンプできます。

bdbpost コマンドを使用して、次のようにダンプファイルからテーブルを作成できます。

手順 (UNIX または Windows システムレベル)

ステップ 1. 

1 つまたは複数の ASCII ファイル (copy.erpln.data など) で、付録 A および B で指定されたテーブル名をリストします。

ステップ 2. 

以下の構文を使用して、実働会社からデータを書き出し (bdbpre)、アーカイブ会社にデータを読み込みます (bdbpost)。

UNIX

コマンドプロンプトに以下を入力します。

  • export BSE= 「path」
  • export BSE_TMP=$BSE/tmp
  • set USER= 「user name of operational company」
  • bdbpre6.2 –Icopy.erpln.data –Oerplndata001.dmp –C001
  • bdbpost6.2 –R –f –n –c901 –Ierplndata001.dmp

これで、指定されたテーブルのデータが会社 001 から会社 901 にコピーされます。

Windows

サーバのコマンドプロンプトに以下を入力します。

  • In the 「$BSE\bin」  directory:fillenv
  • set user= 「user name of operational company」  bdbpre –Icopy.erpln.data –Oerplndata001.dmp –C001
  • bdbpost –R –f –n –c901 –Ierplndata001.dmp

これで、指定されたテーブルのデータが会社 001 から会社 901 にコピーされます。

copy.erpln.data書き出すテーブル名のリストが含まれた ASCII ファイルです。

次のようなコンテンツが含まれます。

  • tcccp000
  • tccom999
  • tcibd000
  • tcmcs000
001実働会社の会社番号
erplndata001.dmpダンプファイルの名前
901アーカイブ会社の会社番号

 

ステップ 3. 

アーカイブ会社にダンプを転記した後、テーブルの再編成 (ttaad4225m000) セッションを使用してテーブルを再編成します。このセッションで、次のチェックボックスをオンにします。

  • 参照整合性
  • 参照カウンタを修復

Bdbpost オプション –n (参照整合性の制約を無視) が使用されるため、この操作が必要です。

bdbpre および bdbpost コマンドのオプションについては、「Infor Enterprise Server 8 - Technical Manual」 に記載されています。