原価ペグ転送 - 借受/貸付 - 返却処理

在庫内の品目が特定のプロジェクト原価ペグにリンクされており、ここから要求があったときには、この品目を別のプロジェクト原価ペグからピッキングできます。そのような場合には、「一時的な」 原価ペグ転送が生成されます。この処理は 「借受/貸付および返却」 とも言い、広範なルール設定を使用して適用できます。

最初に、借受済在庫が貸付プロジェクト原価ペグ A に登録されますが、プロジェクト原価ペグ B に転送され、出庫されます。ルール設定によっては、在庫は借り受けられるのみとなります。借受プロジェクト原価ペグ B は貸付プロジェクト原価ペグ A を再供給し、在庫を補充します。このことが発生するのは、プロジェクト原価ペグ B の借受品目の新しい品目が、企業計画によって開始された購買オーダの結果として倉庫に入庫し、プロジェクト原価ペグ B の需要を満たした場合です。

次のような場合に一時的な原価ペグ転送が作成され、適用されます。

  • 貸付プロジェクト原価ペグで特定品目への緊急の需要がある
  • 原価ペグ転送ルール (tcpeg1100m000) セッションで転送可能在庫の使用 (ATT) チェックボックスがオンになっている
  • 計画パラメータ (cprpd0100m000) セッションで転送可能在庫の使用 (ATT) チェックボックスがオンになっている
  • プロジェクトペギングパラメータ (tcpeg0100m000) セッションの借受/貸付および返却チェックボックスがオンになっている

次のような場合には、一時的な原価ペグ転送は適用できません。

  • 過剰在庫 (ATT 在庫ではなく) が 2 つの原価ペグ間で転送されている
  • 非ペギング在庫

原価ペグ転送タイプは、原価ペグ転送ルール (tcpeg1100m000) セッションで貸付プロジェクト原価取引 (PCA) に基づいて指定されます。

一時的な原価ペグ転送は、出庫勧告の生成 ( 出庫勧告の生成 (whinh4201m000) セッション) の活動によってのみ、作成できます。

借受/貸付 - 返却処理には以下が含まれます。

  • 出庫勧告の作成
  • 原価ペグ転送の生成
  • 出庫勧告の発行
  • 原価ペグ転送の処理
  • 在庫補充のための返却ラインの生成 (入庫中)
借受/貸付タイプの原価ペグ転送を処理するには

以下のステップを実行して、タイプが借受/貸付 - 返却である原価ペグ転送を処理します。

  1. 原価ペグ転送ルールの定義
    • 原価ペグ転送ルール (tcpeg1100m000) セッションで、特定の計画グループ用に原価ペグ転送ルールを定義します。
    • ルールを定義する必要のある計画グループを指定します。また、プロジェクト要素活動転送入力転送出力も指定します。
    • 転送可能在庫の使用チェックボックスをオンにして借受/貸付機能を有効化します。原価ペグ転送タイプ借受/貸付に設定されます。
  2. 販売オーダの作成
    • 販売オーダ - ライン (tdsls4100m900) セッションで、購買元の取引先、オーダ、オーダタイプ、購買オフィス、計画入庫日を指定して、販売オーダを作成します。オーダ番号が LN によって生成されます。
  3. オーダラインの作成
    • 販売オーダ (tdsls4100m900) セッションのオーダラインペインで、品目、オーダ数量、価格、計画納期/時刻、プロジェクト、要素、活動を指定します。
  4. オーダの承認
    • アクションメニューで [承認] をクリックして、オーダを承認します。
  5. オーダの出力/発行
    • 販売オーダ (tdsls4100m900) セッションでオーダラインを選択します。オーダラインの参照メニューで [状況] をクリックします。販売オーダライン状況 (tdsls4534s000) セッションが開きます。
    • [自動] に設定されている活動が実行されます。
    • 処理されなかった活動を実行します。
    • 販売オーダライン状況 (tdsls4534s000) セッションで [実行] をクリックして、オーダタイプ (tdsls0694m000) セッションでオーダに定義されている活動を実行します。
    • [実行] をクリックして、販売オーダを倉庫管理に発行します。
    • [モニタ] タブでオーダラインを選択します。参照メニューで [入庫/出庫状況] をクリックします。出庫ライン状況概要 (whinh2129m000) セッションが開き、実行する必要のある活動のリストが表示されます。
  6. 出庫勧告の作成
    • 出庫ライン状況概要 (whinh2129m000) セッションで、アクションメニューの [出庫勧告の生成] をクリックします。出庫勧告の生成 (whinh4201m000) セッションが開きます。
    • [勧告] をクリックします。
    • 設定に指定されているデータが正しく、ATT 在庫がプロジェクト原価ペグ間で転送されている場合は、借受/貸付タイプの原価ペグ転送が生成されます。
  7. 出庫勧告の発行
    • 出庫ライン状況概要 (whinh2129m000) セッションで、アクションメニューの [出庫勧告の発行] をクリックします。出庫勧告の発行 (whinh4202m000) セッションが開きます。
    • [勧告発行] をクリックしてオーダを発行します。
    • 設定に指定されているデータが正しく、ATT 在庫がプロジェクト原価ペグ間で転送されている場合は、新しく生成された借受/貸付タイプの原価ペグ転送が処理されます。
  8. 出荷の凍結/確認
    • 出庫ライン状況概要 (whinh2129m000) セッションで、アクションメニューの [凍結/確認] をクリックします。出荷 - ライン (whinh4131m000) セッションが開きます。
    • 出荷ラインを選択します。アクションメニューで [凍結] をクリックします。
    • 出荷ライン詳細でストックポイント詳細をクリックします。出荷ラインストックポイント詳細 (whinh4133m000) セッションが開きます。アクションメニューでシリアルの生成をクリックします (品目がロット/在庫外シリアルの場合のみ)。
    • セッションを保存して閉じます。
    • 出荷 - ライン (whinh4131m000) セッションで、確認をクリックして出荷を確認します。
  9. 借受または貸付
    • 原価ペグ転送ライン (whinh1145m000) セッションでは、販売オーダ用に作成されている原価ペグ転送番号を検索します。
    • 原価ペグ転送ラインを選択します。アクションメニューで、借受/貸付をクリックします。借受/貸付 (whinh1646m000) セッションが開きます。
    • 借受ラインまたは貸付ラインを選択して、アクションメニューでファイナライズをクリックし、借受/貸付データをファイナライズします。マニュアルでファイナライズする理由を指定します。
    • 借受または貸付のレコードをマニュアルでファイナライズするときに、返却 (whinh1148m000) セッションで特定の借受または貸付に関する返却データ表示できます。
  10. 請求への発行
    • 販売オーダライン状況 (tdsls4534s000) セッションで実行をクリックして、販売オーダ/スケジュールを請求に発行します。
  11. 請求要求の作成
    • 請求要求 (cisli2100m000) セッションの請求要求フィールドで、請求要求シリーズを指定します。
    • 請求要求 (cisli2100m000) 詳細セッションの共通タブで、テンプレートおよび請求要求の追加設定コードを指定します。
    • 販売/リベート/自己請求請求書タブのロジスティック会社フィールドで会社コードを指定し、オーダ番号フィールドでオーダ番号を指定します。
    • アクションメニューで、処理をクリックします。請求書の構成/出力/転記 (cisli2200m000) セッションが開きます。
    • 構成出力転記の各チェックボックスをオンにします。出力グループボックスで、オリジナルオプションも選択します。続行をクリックします。
    • オーダライン金額が記載された請求書が作成されます。
  12. オーダの処理
    • 販売オーダライン状況 (tdsls4534s000) セッションで [実行] をクリックし、納入済販売オーダを処理します。
    • 納入済販売オーダの処理 (tdsls4223m000) セッションが開きます。
    • [処理] をクリックします。