スライス
多くのレポートに、行軸の階層と列軸の階層があります。これらの階層のエレメントによって、レポートの列見出しと行見出しが形成されます。さらに、フィルター階層として使用される階層があります。列、行、フィルター階層からユーザーが選択するエレメントによって、表示される値が決まります。たとえば、2019 年にヨーロッパで販売された全製品の売上の値や、2020 年に特定の製品で特定の販売チャネルから得られた収益を表示する場合があります。
複数の階層からの複数のエレメントを、軸上に配置できます。たとえば、製品階層と期間階層を列軸上に表示することができます。この場合、レポートには、製品と期間のすべての組み合わせに対する値が表示されます。1 つの階層からの複数のエレメントグループを、軸上に配置することもできます。たとえば、過去、現在、将来の年の四半期を表示して、実績値、予算値、予測値を比較する場合があります。このようなエレメントグループのそれぞれが、1 つのセグメントになります。
このようなレポートレイアウトは、2 つの方法で設計できます。1 つめは、ハイパーブロックとその他のレポートオブジェクトでリストを使用する方法です。2 つめは、スライスを定義する方法です。ここでは、行、列、フィルターの各次元が 1 つのオブジェクトで定義されます。スライスを使用すると、ゼロ値や空の値の抑制が必要な場合に、リストよりもレポート値の計算が速く、効率的です。リストを使用する場合は、リストの計算、値の計算、ゼロ抑制で、それぞれ個別にデータベースにアクセスする必要があります。
スライスを作成する場合は、スライスが参照するデータがデータベースから読み出され、メモリに保持されます。一般的には、SLICEGET 式を使用してデータを読み出して表示します。
スライスは、[新しいスライス] ダイアログで作成します。
適切な XML 変数が既に存在する場合は、[新しいスライス] ダイアログで [ ] を選択して、その変数を選択することができます。
スライスとして使用する XML 変数を作成するには、複数のスライス関数を使用する必要があります。
結果セットとしてテーブルを返す任意の MDX ステートメントを使用して、スライスを定義できます。[新しいスライス] ダイアログで [ ] を選択します。変数と関数を MDX に統合できます。