リスク、制限事項および既知の問題

レポートデザイナー、以下のリスクおよび制限を理解しておく必要があります。間違って使用した時の警告やエラーメッセージはありません。

レポート全体を更新しない場合、変更された値のみがサーバーから Web ブラウザーに転送されます。これによりパフォーマンスが向上し、一部のブラウザーで発生することがある望ましくない視覚効果を防ぐことができます。ただし、Web に表示されるレポートがサーバー上のレポートと異なる危険性があります。

これを防ぐために、アクションの実行時にレポートの表示可能な範囲が変わらない場合にのみ、[アクションホルダー] および [なし] オプションを使用してください。

レポート内の一部の値のみが変わる場合は、カスタムオプションを使用してセルの範囲を指定します。たとえば、アクションの実行時に値が変わるセルが M10、M11、N10 および N11 のみの場合は、M10:N11 の範囲を指定します。
注: 

影響を受けるセルのすべてが範囲に含まれていない場合、問題が発生します。

例を以下に示します。

  • パラメーターの設定アクションでセル D1:D2 および X1:X2 が変わります。
  • レポートデザイナーは更新範囲 D1:D2 を更新します。
  • アクションが実行されると、セル D1 と D2 のみ更新されます。別のアクションを実行するか、ダッシュボードを再ロードして、レポート全体が更新されるまで、レポートの本当の状態は表示されません。

制限事項

アクションを実行して、セルの複数のビジュアルプロパティを変更できます。ただし、Web の更新入力によってこれらのプロパティのすべてを更新することはできません。

このため、たとえば、レポート内の重要なデータを強調表示するなどのサポートされていないセルプロパティを使用すると、リスクが生じます。

更新できるのは以下のセルプロパティのみです。

  • 背景
  • テキスト
  • テキスト色
  • 太字テキスト
  • 斜体テキスト
  • テキストの取り消し線
  • 下線
  • グラフィック

[Web で更新] オプションに対応しているのは、以下のセルのみです。

  • テキストのみを含むセル
  • グラフィックのみを含むセル
  • アクションを含むセル

以下のセルは [更新] オプションで更新できません。

  • リストオブジェクトを含むセル
  • グラフを含むセル

既知の問題

既知の問題として次のような例があります。

  • セルに収まる短いテキストがあるとします。アクションを使用して、そのテキストを長いテキストに置き換えます。短いテキストを含むセルのみを更新します。Application Studio で、このセルを含む列は長い文字列の幅まで拡張します。しかし、ダッシュボードではセルが展開されず、テキストは途中で切れています。
  • セルに変数によって提供される値 N が含まれます。アクションによって、変数の値が「N+1」に変わります。更新入力オプションは [なし] です。

    ダッシュボードでアクションが実行されるときに表示される値は N のままです。しかし、レポートをエクスポートする場合、表示される値は N+1 です。

  • セル B2 には、変数によって提供される空の文字列が含まれます。セル C2 には数式 =B2 が含まれます。アクションによって、変数の値が「TEXT」に変わります。更新入力オプションはカスタムで、B2 はセル範囲として指定されています。

    ダッシュボードでアクションが実行されるときに、セル B2 には「TEXT」が表示されます。これは正しい動作です。しかし、レポートをエクスポートする場合、セル B2 と C2 の両方に「TEXT」が表示されます。このため、エクスポートにより、[Web で更新] オプションが無効になり、レポート全体が再計算されます。

  • セル B2 には数式 =A1 が含まれます。セル A1 には、[エレメントを選択] アクションが含まれます。更新入力オプションは [アクションホルダー] です。アクションが実行され、エレメントが選択されます。正確には、選択したエレメントはセル A1 にのみ表示されます。アクションが再度実行されますが、エレメントは選択されず、[キャンセル] がクリックされます。

    セル B2 に A1 のエレメントが表示されます。このため、[エレメントを選択] ダイアログで [キャンセル] をクリックすると、[アクションホルダー] 更新入力が無効になり、レポート全体が再計算されます。