連産ジョブの概要

連産ジョブとは、少なくとも 1 作業工程を共有するジョブの集まりです。共有する作業工程が完了したとき、複数の品目が作成され、異なる作業手順に進みます。少なくとも最初の 1 作業工程が共有であれば、連産ジョブの各品目には異なる部品表を含めることができます。

連産ジョブの全ジョブには、同じジョブ番号と増加するジョブ接尾辞が付きます。倉庫、状況、開始日などヘッダ情報の一部は全ジョブ共通です。資材など他の情報はジョブ内の品目特定になります。

連産ジョブの共有作業工程では、作業工程番号とワークセンタは同じになります。共有作業工程の全設定は、式資材重量を除き、連産ジョブの最初のジョブ (接尾辞 =0) から受け継がれます。共有作業工程のスケジュールにはバッチ生産を使います。プランナにとっては、共有作業工程は作業手順の最初になります。スケジューラにとって共有作業工程は、間に他の共有作業を置かなくてもどの時点でも起こり得ます。

SyteLine では、連産ジョブの共有でない作業工程は、通常のジョブオーダ同様になります。共有作業工程は副製品ジョブと同様に機能します。

次のテーブルと図は副製品ジョブと連産ジョブを比較したものです。

副製品 連産ジョブ
1 つのジョブに複数の品目 複数のジョブに各 1 品目
全品目が同じ部品表を持つ 共有でない作業工程、あるいは異なる資材が存在するため、全品目が同じ部品表は持たない
労務、機械、材料原価は各作業工程で全品目で分割 労務、機械原価は組み合わせた作業工程のみで分割、材料原価は品目特定
製品製造を通して定義 別個の品目を使用
副製品と連産ジョブ

一般的なガイドライン

これは連産ジョブ機能のサマリです。

  • 連産ジョブオーダ、見積連産ジョブオーダは、 [連産ジョブオーダ] [見積連産ジョブオーダ] フォームから作成されます。また連産ジョブ部品表、見積連産品部品表は、 [設計ワークベンチ] で表示やコピーができます。
  • [ジョブ作業] フォームで式資材重量が入力でき、 [ジョブ資材] フォームで式資材重量パーセントと共に使用して、パーセントを基にジョブ資材数量を算出することができます。この計算は 1 つの式に組み合わせることのできる資材だけに使用してください。 [ジョブ資材構成比検証] ユーティリティフォームを使って、資材部品表の式重量パーセント合計が 100% になることを確かめます。このフォームで [処理] をクリックすると、指定した設定を基にレポートが生成されます。
  • 副製品ジョブオーダには製品サイクルが指定でき、ジョブ作業工程でのサイクルごとの秒数と共に使用され、機械と労務時間を算出します。
  • 連産ジョブの共有作業工程は [ジョブ作業] フォームで指定され、次のレポートに表示されます。 [ジョブ部分表レポート] [ジョブ原価項目別詳細レポート] [ジョブ原価差異レポート] [ジョブ作業状況レポート] および [ジョブ原価詳細状況レポート] [作業実績報告] フォームでは、共有作業工程の品目特定情報をレポートすることができます。

部品表の設定について

連産ジョブの部品表が設定されるとき、ジョブ共通の作業工程は共有とマークされます。こうした作業工程は資源とワークセンタが同じでなければなりません。作業工程レコードのフィールド値は、連産ジョブの最初のジョブ (接尾辞 =0) と結び付いた品目から設定されます。例えば下の例に示された品目 A にあるように、最初のジョブの共有作業工程に入力された設定と実行時間は、全品目に必要な合計時間の必要があります。作業工程で異なるのは [式資材重量] フィールドのみです。資材は共有にはならず、連産ジョブの品目に特定されます。

資源部品表連産ジョブ 作業 作業 資材 資材 資材
品目 作業 品目 作業 品目 資材
A 10 (共有) A 10 (共有) A X
B 20 (共有) A 10 (共有) A Y
C 30 A 20 (共有) A Z
D 40 A 30 A M
  10 (共有) B 40 A N
  20 (共有) B 10 (共有) B T
  30 B 20 (共有) B U
  40 B 30 B J
  10 (共有) C 40 B K
  20 (共有) C 40 B L
  30 C 10 (共有) C X
  D 10 (共有) C W
  20 (共有) D 20 (共有) C U
  30 D 30 C H
      30 C I
      10 (共有) D V
      10 (共有) D Z
      20 (共有) D T
      30 D E
      30 D F
      30 D G

ジョブトランザクションについて

ジョブトランザクションが作成されるときの共有作業工程は副製品の作業工程と同様で、jobitem トランザクションレコードが作成されます。共有でない作業工程は個々のジョブレコードのように扱われ、ジョブトランザクションが作成されます。

jobtran jobtran jobtran jobtran jobtranitem jobtranitem
トラン番号 ジョブ 接尾辞 作業 トラン番号 品目
1 1 0 10 1 A
2 1 0 20 1 B
3 1 0 30 1 C
4 1 1 30 1 D
5 1 2 30 2 A
6 1 3 30 2 B
7 1 0 40 2 C
8 1 1 40 2 D

原価設定について

共有作業工程の原価設定は、副製品作業工程の原価設定と同様です。共有作業工程ではパーセント値が連産のジョブに割り当てられ、その値を基に原価設定が行われます。共有されない作用工程では通常のジョブオーダと同様に扱われ、各品目に総原価が適用されます。原価率は労務費と間接費に分けることができます。材料費はジョブ/接尾辞特定ですが、全体に渡るのでなく特定のジョブ/接尾辞ごとに、パーセント値を基にして算出することもできます。連産ジョブにある全品目には同じ原価設定方式を使用する必要があります。

作業 品目 原価 %
10 A 15
10 B 25
10 C 45
10 D 15
20 A 15
20 B 25
20 C 45
20 D 15
30 A 100
30 B 100
30 C 100
30 D 100
40 A 100
40 B 100