年度末処理 - 概要

以下は、年度末処理に関する説明です。

アスタリスク(*)は、さまざまなファイルの年間累計フィールドを初期化する処理を示します。データが正確であることを保証するには、これらのフィールドを更新する処理を新しい年に実行する前に、これらのユーティリティを実行する必要があります。残りのユーティリティを実行するタイミングは重要ではありません。

  • [売掛会計期間年度末処理 ] * - [顧客] フォームで以下のフィールドをゼロにリセットします:[期間売上]、[年間売上]、[年間値引金額]、[前年度売上]、および [前年度値引金額] のフィールドをゼロにリセットします。また、[販売担当者] フォームの [期間売上] と [年間売上] フィールドもゼロにリセットします。このユーティリティは、現在の年の請求書を生成し、顧客の支払を転記した後、新しい年のこれらのトランザクションを転記する前に実行する必要があります。
    注:  このユーティリティは、一度だけ実行してください。2 回以上実行すると、[前年度売上] と [前年度値引金額] のフィールドがゼロになります。
  • [期間/年間合計項目の初期化(購入先品目/顧客品目)] * - [購入先品目契約] フォームと [顧客品目契約] フォームのフィールドをゼロにリセットします。リセットされる [購入先品目契約] フィールドは、[年間発注数]、[年間受入数]、[年間不良数]、[平均費用]、[平均リードタイム]、[平均遅延]、[平均比率]、および [最新の比率] です。リセットされる [顧客品目契約] フィールドは、[年間購買金額]、[年間発注数]、[年間出荷数]、および [期間発注数] です。
    注:  このユーティリティは、顧客モジュールと購入先モジュールの両方に含まれていますが、実行する必要があるのは 1 回だけです。
  • [給与年末調整] * - (カレンダ年に基づく) - [従業員] フォームを更新し、年の変更を反映させます。 [給与年末調整] は、その年の最後の給与処理の実行後、次の年の給与処理を実行する前に、実施する必要があります。この処理を実行し、次の年の給与を転記する前に、現在の年の調整トランザクションを全て入力し、転記する必要があります。この処理の詳細については、「給与の年末締め処理」を参照してください。
  • [W-2 フォームの印刷] (カレンダ年に基づく) - [従業員] フォームの従業員の年間累計給与総額と税金を計算します。この情報は、転記済給与ファイル(prtrxp)からもたらされます。W-2 の処理は、時間がかかる場合があります。処理時間は、従業員の数と給与の支払頻度に左右されます。大規模のデータベースを処理する場合は、数日を要することもあります。自動夜間バックアップ処理が設定されている場合は、この処理を無効にしてデータベースサーバがシャットダウンされないようにしてください。また、出力をファイルに送信すると便利です。こうすると、印刷前に W-2 を確認し、余分な処理時間を費やすことなく必要に応じて W-2 を再印刷できるようになります。W-2 は、 [W-2 電子ファイリング] を使用して、電子的に生成することもできます。それによって W2REPORT という名前のファイルが作成されます。W2REPORT は、社会保障管理によって指定されたファイル名であるため、変更はできません。
  • [HR 年度末処理] * - 選択した範囲の従業員の病欠レコードおよび休暇レコードを更新します。影響を受けるのは、このカレンダ年内に処理されていないレコードのみです。前年の病欠または休暇時間の合計日数が計算され、この数に繰越日数を足して使用日数を差し引いたものが新しい合計日数になります。その他全てのフィールドはゼロに設定されます。
  • [会計年度末仕訳記帳] または [複数財務帳簿セット年度末仕訳記帳] - 指定した日付範囲の全ての売上勘定と費用勘定を締めるための借方と貸方のエントリを作成します。これらのエントリは、一般仕訳帳に入力されます。次に、一般仕訳帳を総勘定元帳に転記する必要があります。この処理は、会計年度への全てのエントリが転記された後に実行する必要があります。さらに、この処理の実行後に調整記帳を行う必要がある場合は、この処理を再び実行する必要があります。
  • 現在の期間と会計年の更新 - 次の会計年の仕訳帳を転記し、前年を締めるには、[一般パラメタ] フォームの [現行会計年度] フィールドを次の会計年度に手動で更新する必要があります。さらに、 [会計期間] フォームまたは [複数財務帳簿セット会計期間] フォームの [当期間] フィールドを更新する必要があります。
  • [買掛年度末処理] * - (カレンダ年に基づく年間支払金額) - [購入先] または [マルチサイト購入先] フォームのフィールドをゼロにリセットします:[年間値引金額]、[年間購買金額]、および [年間支払金額] のフィールドをゼロにリセットします。さらに、[年間購買金額] の現在値を [前年度購買金額] に設定し、[前年度値引金額] を [年間値引金額] の現在値に設定します。このユーティリティは、現在年の最後の買掛小切手処理の実行後、新しい年の買掛小切手を転記する前に使用する必要があります。
    注:  このユーティリティは、カレンダ年(会計年ではない)の最後に実行する必要があります。 [購入先] フォーム(または [マルチサイト購入先] )フォームの [年間支払金額] フィールドは、カレンダ年を基にして印刷される 1099 フォームを生成するために使用されます。また、このユーティリティは一度だけ実行する必要があります。このユーティリティを 1 回以上実行すると、 [購入先] または [マルチサイト購入先] フォームの [前年度支払金額]、[前年度購買金額] および [前年度値引金額] フィールドがゼロになります。
  • [1099 フォーム印刷] * - (カレンダ年に基づく) - システムに国税 ID が入力されている各購入先に対して 1099 フォームを印刷します。印刷する値は、1099 フォーム生成時の購入先の [年間支払金額] または [前年度支払金額] として指定できます。購入先の [年間支払金額] と [前年度支払金額] のどちらを選択するかは、買掛年度末処理の実行に基づきます。買掛年度末処理の特記を確認してください。

    1099 レポートには電子ファイリングを使用できます。テスト、修正、または元の電子ファイルレポートのいずれを実行するかを選択できます。1099 レコードは州別に作成し、代理を介して提出できます。

    1099 レポートでは、情報を追跡するために 2 つの追加のファイルが使用されます。(1) state ファイルでは、州の郵便番号略称、最小支払額、および電子ファイリング使用情報が追跡されます。(2) apparms ファイルでは、支払人名コントロール、TIN 名、送金者名、送金者コントロールコード、送金者住所、および送金者の代理人名と住所が追跡されます。

  • [会計報告システムフォームの印刷] (カレンダ年基準) - DAS2 レポート用に設定する各購入先の DAS2 フォームを印刷します。印刷される値は、各購入先のバウチャーに割り当てられた会計報告システム区分に基づきます。各区分の合計がレポートに表示されます。レポートする金額の詳細については、 「DAS2 申告フォームの生成」を参照してください。
  • [期間/年間項目の初期化 (品目/倉庫)] * - [品目] フォームと [品目/倉庫] フォームのフィールドをゼロにリセットします。[年間販売数]、[年間使用数]、[年間購買金額]、[年間製造数]、[年間売上] のフィールドをゼロにリセットします。このユーティリティは、前年のジョブ、受注オーダ出荷、および購買オーダ受入を完了した後、次の年にこれらのトランザクションを行う前に実行する必要があります。
  • [固定資産年度末処理] * - 選択した資産の範囲に収まる各固定資産マスタレコードの [年間減価償却] フィールドをリセットします。このユーティリティは、現在の年の最後の減価償却を生成した後、新しい年の減価償却を生成する前に使用する必要があります。
    注:  12 番目の期間の減価償却を生成するときは、年度末決算処理を行うオプションが提供されます。このオプションを設定すると、減価償却が期間と年の品目全てに対して実行されます。期間と年の減価償却を個別に実行することはできません。減価償却を 2 回実行して転記した場合、つまり、1 回目は年度末決算処理が設定されていない状態で、2 回目は年度末決算処理が設定されている状態で実行すると、全ての期間の品目が二重に減価償却されます。

追加処理

以下は、定期的に実行する必要があり、年度末に実行すると便利な処理のモジュール別一覧です。これらのほとんどの処理では、データベースから情報が削除されます。いったんパージしたデータを表示または復元することはできません。企業の方針に従って、監査のために数年間のデータを保管しておいてください。データをパージする前にデータベースをアーカイブしておくと、必要に応じて情報にアクセスできるようになります。

顧客 - 受注登録

  • [履歴受注オーダの削除] - 指定した範囲の受注オーダのうち、状況が「履歴」のオーダを全て削除します。
  • [梱包伝票登録パージ] - 梱包伝票登録からレコードを削除します。レコードをパージするには、受注オーダの状況が「完了」または「履歴」になっている必要があります。

従業員 - 給与

  • [給与トランザクションの削除] - 指定した日付範囲のレコードを転記済給与ファイル(prtrxp)から削除します。このユーティリティは、W-2 レポートと年度末給与レポートを印刷した後にのみ実行してください。このユーティリティを実行する前に、W-2 が適切に印刷されていて、W-2 の情報が正しいことを確認してください。このユーティリティを使用すると、W-2 に必要なレコードがパージされますので、W-2 の印刷前にこのユーティリティを実行すると、W-2 に情報が印刷されなくなるか、誤った情報が印刷されることになります。

財務 - 買掛

  • [転記済買掛トランザクションの削除] - 完全に支払われた支払証書用のレコードを [買掛転記済トランザクション] フォームから削除します。レコードが削除されると、詳細は確認できなくなります。
  • [支払証書履歴のパージ] - 支払証書履歴ファイルからレコードを削除します。指定した請求日より前の支払証書と、指定した支払証書番号より低い支払証書全てが選択されます。未転記の買掛トランザクション、あるいは「計画」または「発注」の状況を持つ購買オーダに関連付けられている支払証書ヘッダはパージされません。

財務 - 売掛

  • [転記済売掛トランザクションの削除] - 転記済売掛トランザクションファイルからレコードを削除します。このユーティリティを実行する前に、 [顧客計算書レポート] を実行してください。分割払いの顧客については、このユーティリティによって、支払われた金額までの請求書が全て削除され、部分的に支払われた最初の金額に対する残高繰越エントリが生成されます。未処理品目の顧客については、完全に支払われた請求書が全て削除されます。レコードが削除されると、詳細は確認できなくなります。
  • [請求履歴のパージ] - 転記済の請求履歴ファイルからレコードを削除します。請求明細品目と先行請求明細品目のみを削除するか、請求ヘッダと税レコードも削除するかを選択できます。

財務 - 総勘定元帳

  • [総勘定元帳トランザクションの圧縮] 、または [複数財務帳簿セット総勘定元帳の圧縮] - [転記済総勘定元帳トランザクション] フォームからレコードを削除します。このユーティリティを実行するとトランザクションの詳細が失われるため、実行前にデータベースをバックアップしてください。ユーティリティの [圧縮単位] フィールドを [日付] に設定すると、同じ日付を持つ全てのトランザクションが、選択されている勘定科目または報告単位用の 1 つのトランザクションに圧縮されます。[圧縮単位] フィールドが [期間] に設定されている場合、同じ会計期間を持つ全てのトランザクションが、選択されている勘定科目または報告単位用の 1 つのトランザクションに圧縮されます。新しいトランザクションの日付は期間終了日に設定されます。
    注:  「損益サマリ」 と参照関係にある総勘定元帳トランザクションは圧縮できません。

資材 - 在庫

  • [資材トランザクションの削除] - 在庫トランザクション(手持数量または品目原価への全ての変更)のオーディットトレイルを提供する資材トランザクションレコードを削除します。レコードが削除されると、詳細は確認できなくなります。資材トランザクションの削除時には、元帳トランザクションまたは仕訳帳トランザクションからのその資材トランザクションの参照がクリアされます。削除された資材トランザクションを以前参照していた元帳または仕訳帳の詳細を表示しようとすると、レコードが存在しないことを示すメッセージが表示されます。
  • [原価積上] (最新原価->標準原価)(標準原価設定を使用している場合) - 標準原価品目の標準作業手順/部品表を作成または更新します。また、資材トランザクションと仕訳記帳を作成し、各保管場所の在庫数の変更を反映します(仕訳トランザクションには INV STDC の参照が含まれています)。

生産

  • [ジョブ状況変更/削除ユーティリティ] - さまざまな有効な組み合わせのジョブ状況を変更します。「履歴」の状況のジョブを削除することもできます。
  • [作業実績削除] - 作業トランザクション(ジョブ、生産計画、JIT、およびワークセンタ)のオーディットトレイルを提供する作業実績(jobtran)レコードを削除します。レコードが削除されると、詳細は確認できなくなります。
  • M-Day および休日カレンダのレビュー - [計画パラメタ] フォームの [MDAY 開始] および [MDAY 終了] フィールドを変更して、次の年用に新しい MDAY レコードの作成が必要となる場合があります。また、 [シフトスケジュール] フォームで次の年用のシフトレコードを手動で追加することも必要です。

購入先 - 購買

  • [履歴購買オーダの削除] - 状況が「履歴」の購買オーダを全て削除します。購買オーダに「オープン」または「最終」の状況を持つ現行の変更オーダが含まれている場合、その購買オーダは削除されません。