オーディット概要

このトピックでは、監査プロセスの概要を示します。

システムには、次のようないくつかの異なる区分のオーディットが用意されています。

  • イベントオーディット: 指定のイベントが発生するたびに (たとえばユーザがフォームを開くたびに)、オーディットログにメッセージがログされます。このオーディットログはオンまたはオフにすることができます。また、ログするイベントの区分をカスタマイズすることができます。
  • トランザクションオーディット: 特定の区分のトランザクションが転記されるたびに、その情報がシステムによって自動的にファイルにログされます (一般にこのファイルはレポートとして印刷できます)。
  • プロジェクトオーディット: プロジェクトモジュールのオーディットをオンにし、フォームの [オーディット] タブを介して指標を追跡することができます。
注:  オーディットログは、特別な確認必要事項がある場合にのみ、短時間に限って有効にすることを強くお勧めします。オーディットトレイルは、広範囲かつ堅牢な処理です。オーディットトレイルを有効にしている間、システムパフォーマンスは低下し、ログには大量の処理レコードが作成されます。

資材トランザクション

資材トランザクション (matltran) レコードには、資材トランザクション対象のオーディットトレイル機能が備わっています。次のタスクを実行する場合、資材トランザクションが作成されます。

  • ジョブへ品目を出庫した場合、またはジョブから品目を戻した場合
  • ジョブを終了した場合
  • ジョブを開始した場合
  • 品目をジョブの次の作業へ移動した場合
  • 受注オーダを出荷または返品された場合
  • 購買オーダを受入または返品した場合
  • 手持在庫または品目の原価を変更した場合
  • 数量を移動した場合
  • 新規保管場所を追加した場合

このオーディットトレイルは、 [資材トランザクションレポート] で印刷することができます。

資材トランザクションを削除するには大半の区分で、 [資材トランザクションの削除] ユーティリティを使用します (期間原価計算トランザクションを除く)。期間原価計算トランザクションには、JIT 生産トランザクション、生産計画完了トランザクション、生産計画不良トランザクション、ワークセンタ作業トランザクション、ワークセンタ機械時間トランザクション、およびワークセンタ資材トランザクションが含まれます。期間原価計算トランザクションの削除を実行すると、 [期間原価計算トランザクション] を削除できます。

注意: 
資材トランザクションの削除は、 [資材トランザクションレポート] を実行してオーディットトレイルを保存してから行ってください。資材トランザクションを削除すると、元帳または仕訳帳レコードからそのトランザクションへの参照がクリアされます。この後、削除された資材トランザクションレコードにこれまで参照されていた元帳または仕訳帳の詳細を表示しようとすると、レコードが利用できないことを示すメッセージが表示されます。

棚卸トランザクション

元の数量との差異に関する会計オーディットトレイルを表示するには、循環棚卸を転記する前に、 [循環棚卸差異レポート] を実行します。

[実棚卸更新] ユーティリティを使用して [手持在庫数] フィールドに在庫数量を転記する前に、 [事前調整レポート] を実行して会計オーディットトレイルを生成し、棚卸数量の差異がよくわかるようにしておくことをお勧めします。

[実棚卸レコードのパージ] ユーティリティを使用すると、全ての実棚卸の承認と転記が完了し、監査担当者が結果を確認、承認した後で、実棚卸ファイルの内容を消去します。このオプションの目的は、実棚卸ファイルが占めていたディスク容量を解放することです。ファイルの内容は消去されますが、実棚卸更新のオーディットトレイルは残ります。品目/倉庫ファイルには、以下に示す参照用のフィールドが含まれています。[実棚卸数量] フィールド (棚卸数)、および [実棚卸日] フィールド (転記日付)。

作業トランザクションおよび生産トランザクション

作業トランザクション (jobtran) レコードは、作業トランザクション (ジョブ、生産計画、JIT、およびワークセンタ) 対象のオーディットトレイルを備えています。ジョブトランザクションレコードを jobtran ファイルに手動で挿入し、作業トランザクション更新機能を使用して、それらを更新します。作業トランザクションの削除は、 [作業実績レポート] を実行してオーディットトレイルを保存してから行ってください。この区分のレコードは、 [作業実績削除] ユーティリティを使用しなければ削除できません。

請求トランザクション

[請求書転記] 操作を実行して請求書、借方伝票、および返品伝票を転記する前に、転記済品目のオーディットトレイルとして [請求トランザクションレポート] を印刷します。

財務トランザクション

[売掛ドラフトパージ] ユーティリティを使用して、取消、支払、および無効ドラフトが削除します。この操作では、オーディットトレイルとしてパージされたドラフトの登録が作成されます。

買掛支払証書および調整トランザクションの転記前に、オーディットトレイルとして [支払証書トランザクションレポート] を印刷します。

[仕訳帳転記一括処理] ユーティリティまたは [元帳を仕訳帳に転記] ユーティリティを使用してトランザクションを 1 つ以上の仕訳帳から元帳に転記する前に、転記される品目のオーディットトレイルとして [仕訳帳トランザクションレポート] を印刷します。また、 [仕訳帳の圧縮] を使用して仕訳帳のトランザクション数を減らす前に、 [仕訳帳トランザクションレポート] を印刷する必要があります。

従業員直接振込トランザクション

[直接振込先銀行] フォームで、この銀行を使用する従業員について直接振込が転記されたときに貸方または借方に記載される総勘定元帳の勘定科目を入力します。この勘定科目では、銀行への直接振込のオーディットトレイルが保守されます。

プロジェクトオーディット

売上指標と請求指標について [プロジェクトパラメタ] を設定するときに、オーディットトレイルを有効にすることができます。オーディット情報は、[売上指標]、 [見積売上指標] 、および [請求指標] フォームの [オーディット] タブに表示されます。