ユーロ通貨の概要

この特記では、システムがユーロ通貨を取り扱う方法について説明します。ただし、ユーロ通貨システムまたはそれに関するルールや規制の詳細については説明されません。

ユーロ加盟国では、自国通貨をユーロ通貨に変換するための暫定期間を設ける場合があります。この暫定期間中、加盟国間の財務トランザクションは、ユーロ通貨または自国通貨のどちらかで実行できます。

ユーロ加盟国のユーザが暫定期間中に他のユーロ加盟国とトランザクションを遂行すると、システムで必要な通貨変換が実行されます。自国通貨をユーロに変更したときは、システムユーティリティを使用して、関連するビジネス履歴を全て変換できます。ユーロ加盟国以外のユーザがユーロ加盟国とのトランザクションを遂行した場合は、システムで通貨変換が実行されます。

通貨変換ユーティリティ

ユーロへの切り替え準備が整ったら、 [国内ユーロ通貨変換] ユーティリティを使用して基本自国通貨を変換できます。このユーティリティでは、履歴データを含む、自国通貨の金額が全て変換されます。

購入先のいずれかが通貨をユーロに切り替えた場合は、 [購入先ユーロ通貨変換] ユーティリティを使用して、購入先の古い通貨で保存されているトランザクション金額を全て変換できます。同様に、 [顧客ユーロ通貨変換] ユーティリティを使用すると、顧客の古い通貨で保存されている顧客のトランザクション金額を全て変換できます。

資産/負債の再計算

システム内の全ての売掛、買掛、および支払証書レコードは、顧客または購入先のトランザクション通貨で表されています。これらのレコードには、値を基本通貨に変換するための為替レートが含まれている場合もあります。1999 年 1 月 1 日以降、ユーロ加盟国通貨とユーロ通貨間の為替レートは固定されています。

このため固定為替レートを使用して、未処理の資産や負債を再計算する必要があります。 [通貨レート再計算レポート] [銀行勘定残高再計算] ユーティリティ、および [ユーロ為替レート再計算] ユーティリティを実行してください。

[ユーロ為替レート再計算] ユーティリティについて

会社がユーロ加盟国内にある場合、ユーロ規定により、この為替レートを使用して資産と負債のトランザクションを再計算することが義務づけられています。ユーロ加盟国内に位置していない場合、この再計算はオプションになります。

自国通貨をユーロ通貨に移行する暫定期間中、ユーロ規定では加盟国間の直接通貨変換は禁止されています。そのため、ある金額を自国通貨から別の国の通貨に変換する際、三角変換法を使用して、ユーロ区域通貨間の全ての変換を実行します。この変換法によって、システム内の資産と負債のトランザクションの値が影響を受ける場合があります。

トランザクションが作成された時点の自国通貨から外貨への為替レートは、トランザクションレコードに含まれています。1999 年 1 月 1 日以降、ユーロ加盟国通貨とユーロ通貨間の為替レートは固定されています。したがって、ユーロ区域として設定されている各通貨コードに対しては、このユーティリティを実行し、固定為替レートを使用して未処理の資産と負債のトランザクションを再計算する必要があります。

顧客の支払処理

ユーザは、顧客のトランザクション通貨、ユーロ通貨、またはユーザの基本自国通貨で支払を受け入れることができます。暫定期間中は、基本自国通貨をユーロに切り替えずにユーロ通貨での支払を受け入れることができます。このため、ユーロ通貨での支払が必要なトランザクションのみに対してこのような支払を受け入れ、顧客の支払を基本通貨またはユーロの銀行口座に預金できます。

レポート

以下のシステムレポートでは、ユーロ加盟国の顧客または購入先のために、ユーロ通貨とトランザクション通貨の両方で合計金額を印刷できます。

[請求書、借方伝票、返品伝票]

[顧客計算書レポート]

[見積回答フォームレポート]

[請求書/返品伝票]

[受注オーダ確認レポート]

[変更購買オーダ]

[購買オーダレポート]