外注作業の作成

作業の実際の仕事が、ショップフロア以外の別の場所で実行された場合、正確な APS、スケジューリング、および原価設定のために、特別な手順を実行してその作業の状況を取り込む必要があります。外注作業が正しく表示/管理されない場合、その影響は後続の処理にまで及び、控えめすぎる計画やスケジュールが作成される結果となる可能性もあります。

外注作業の状況を取り込むには、以下の方法があります。

  • [作業実績転記] フォームを使って、作業に残っている時間や数量を転記します([工程管理パラメタ] の [作業スケジュール] パラメタにより、残時間や残個数が転記されるかどうかが決定されます)。 [ワークセンター] フォームの [スケジューリング] タブで作業のワークセンターを「外注」として指定する必要があります。この方法は、外注作業の正しい状況情報がある場合にのみ使用してください。
  • 外注作業を 1 つまたは複数の購買オーダ明細品目に相互参照する。作業の残時間は、購買オーダ明細品目の納期を使用して計算されます。

外注作業の残時間や残数量を転記するための正確な情報がない場合もあるため、相互参照購買オーダによる方法を使用して外注作業をモデリングすることをお勧めします(ただし、状況の情報があれば、この方法を使用して、作業に時間または数量を転記することもできます)。

このトピックでは、相互参照購買オーダによる方法の設定について説明しています。

  1. 外注作業を設定するには、購買資材を作成し、それを作業に支給する必要があります。次の手順を実行してください。
    1. [シフトスケジュール] フォームで、日曜日の 00:00 に開始し、土曜日の 24:00 に終了する(7 日 x 24 時間)の単一のシフト間隔から成るシフトスケジュールを作成します。この処理を表すために無限能力資源グループを使用します。したがって、プランニングおよびスケジューリングのプログラムで、無限能力資源が一貫して処理されるように 24 時間/日、7 日/週のシフトが必要になります(APS では、シフト内でのみ資源が無限であると見なしますが、スケジューリングではシフトを無視し、資源が常に無限能力を持つと見なします)。
    2. [資源] フォームで、次の手順に従います。
      • 外注作業に対して新規資材を作成します。
      • [一般] タブでは、フィールドのデフォルト値を受け入れることができます。
      • [シフト] タブを選択します。[シフト ID#1] フィールドで、24 時間/日、7 日/週のシフトスケジュールを選択します。
    3. [資源グループ] フォームで、次の手順に従います。
      • 新規資源グループを作成します。
      • [キャパシティ制約有効期間] フィールドに [0] を入力します。これにより、プランニングのために資源が無限キャパシティに設定されます。
      • [無限] フィールドを選択し、スケジューリングのために資源を無限キャパシティに設定します。
      • [資源] タブを選択します。外注資源をグループのメンバとして追加します。
    4. [ワークセンタ] フォームで、次の手順に従います。
      • 外注作業に使用するワークセンタを作成します。同じワークセンタを複数の外注作業に使用することもできます。
      • [スケジューリング] タブで [外注] フィールドを選択します。ワークセンタを[「外注」]として定義すると、部品がショップから離れている時間をユーザが入力しないで済むように、プランニング処理とスケジューリング処理で特殊な計算が実行されます。外注ワークセンターは、 [製品コード] フォームで設定した「外注」一般会計勘定の原価も取り込みます。
      • [資源グループ] タブを選択します。この手順で前に作成した無限能力資源グループを追加します。
    5. [ジョブ作業] フォームで、次の手順に従います。
      • [ワークセンタ] フィールドで、外注ワークセンタを選択します。
      • [固定 SCHD 時間] フィールド(固定スケジュール時間を使用している場合)、または該当する [時間/個数]/[個数/時間] フィールドで、この外注作業の通常のリードタイムに対応する時間数を入力します。
        注:  [固定スケジュール時間]を指定するかどうかにかかわらず、プランニングまたはスケジューリング実行時には、固定スケジュール時間に切り替えられます。
      • [資源] タブを選択し、無限能力資源グループが表示されていることを確認します。表示されていなければ、ここで選択します。
      • [原価] タブを選択し、全ての原価設定比率フィールドに [0] を入力します。作業に出庫する資材は、外注作業の原価を取り込みます。
    6. [品目] フォームで、次の手順に従います。
      • 外注作業で提供される品目を表す品目を作成します。
      • [ソース] フィールドで [購買] を選択します。これにより、部品表の資材を購買オーダに相互参照できます。
      • [区分] フィールドで [その他] を選択します。この[区分]コードにより、システムでこの品目の計画オーダが作成されないようになります(代わりに相互参照機能を使用します)。
      • この購買品目の原価の追跡方法を考えます。外注作業の原価をこのオーダのみに適用するには、[原価区分] を [実際] に、[原価法] を [個別] に設定し、[ロット追跡] フィールドを選択します。
    7. [ジョブ資材] フォームで、次の手順に従います。
      • ジョブと外注作業を見つけます。
      • 外注作業品目に対して資材レコードを追加します。
      • [数量] フィールドに [1] と入力します。
      • [ロット] フィールドを選択します(数量が 1/ロットになるように)。
  2. 外注作業を処理するには、以下の手順に従います。
    1. [作業実績報告] フォームで、仕掛を前の作業から外注作業に移動するトランザクションを入力します。
    2. [作業実績転記] フォームを使用して、トランザクションを転記します。
    3. [ジョブ作業] フォームで、外注作業の前の全ての作業が「完了」とマークされていることを確認します。
    4. 相互参照購買オーダ明細品目を作成します。これは作業開始後すぐに行ってください。次の手順を実行してください。
      • [ジョブ資材] フォームを開きます。
      • 外注資材レコードを検索します。
      • [ソース] タブを選択します。
      • [参照] フィールドで、[購買オーダ] を選択します。
      • [ソース] ボタンをクリックして、相互参照を作成します。
      • [ソース] ボタンを再びクリックして、 [購買オーダ明細] フォームを表示します。
      • [一般] タブで、相互参照購買オーダ明細品目の[納期]を、購入先から外注資材を受け取ることが予測される日付に設定します。
      • [原価] タブを選択します。購買オーダの正しい原価を指定します。
    5. 購買オーダと資材を購入先に送ります。
    6. 必要に応じて購買オーダ明細の納期を調整します。
  3. 購入先から外注資材を受け入れるには [購買オーダ受入] フォームを使用します。
  4. 受入トランザクションにより、自動的に [ジョブ資材トランザクション] フォームが開きます。このフォームでは、ジョブに対して資材が出庫されます。
  5. 資材を出庫すると、自動的に [ジョブ仕掛移動トランザクション更新] フォームが開きます。このフォームでは、この作業を完了と記録し、資材を次の作業へ移動します。