作業時間について - 計画とスケジュール

SyteLine スケジューラおよび APS では、段取時間、作業時間、移動時間、および完了時間を考慮して作業の時間を計算します。作業時間は、作業の処理ステップです。
注:  MRP では、リードタイムプロセッサ でのリードタイム計算を介して間接的に作業時間を評価します。

作業の作業時間は、以下のイベントの後で開始されます。

  • 作業手順内の前の作業の終了時間が完了する。
  • この作業の移動時間が完了する。
  • この作業の段取時間(作業の効率値で調整)が完了する。

作業には、労務、機械、およびその他(治具など)の資源グループからの資源を必要である場合があります。作業で異なる区分の複数の資源グループが指定されている場合、その作業は計画基準も指定する必要があります。計画基準によって、スケジュールの駆動に作業時間と機械時間のどちらを使用するかが決まります。資源グループが全て同じ区分である場合は、必要な全ての資源グループの作業時間が計画とスケジュールを駆動します。

作業の計画またはスケジュール方法を決定するには、システムで以下のことが行われます。

  1. 時間/個数の値を、計画基準区分の資源グループの必要資源数で割ります。
  2. この結果を(100/効率)で割、調整値を [作業時間] フィールドに入力します。
  3. [作業時間]の値を、要求される全ての資源に適用します。

作業の [固定 SCHD 使用] オプションが選択されている場合、システムは、[固定スケジュール時間]を適用し、資源数で時間を割ることはしません。

原価設定では、全ての作業資源グループの作業時間を考慮し、固定間接機械費原価を加えます。ジョブ作業で入力する時間は、1 個に必要な時間合計です。

プランニングとスケジューリングの例

作業で以下の情報が指定されたとします。

資源グループ グループ区分 資源数 時間/個数
作業員 A 作業 2 1 作業時間
ドリル 機械 1 2 機械時間
治具 A その他 1 (2 機械時間)
  • 計画基準は労務です。
  • 効率は 80.0 です。
  • ジョブ数量は 6 です。

この情報を仮定し、システムでは以下の手順が実行されます。

  1. 作業 時間/個数の値を必要な 作業 資源数で割ります。1 時間 / 2 資源 = 0.5 時間。計画基準が機械であった場合は、機械資源の値が計算に使用されることになります。2 / 1 = 2 時間。
  2. この結果値を効率に掛けます。0.5 * (100 / 80.0) = 0.625 時間。
  3. 調整値を作業の [作業時間] フィールドに入力します。
  4. [作業時間]をジョブ数量に掛けて、所要時間合計を算出します。0.625 * 6 = 3.75 時間。

システムは、この作業の 2 つの労務資源、機械資源、およびその他資源に作業時間 3.75 時間を適用します。作業が計画またはスケジュールされると、これら 4 つの資源も移動時間、段取時間(効率のために調整)、および終了時間を経験します。

原価設定の例

上記の計画とスケジューリングの例のデータを使用し、作業の[作業賃率]が 15.00、[固定間接機械費率]が 10.00 であると仮定します。作業の原価は次のように計算されます。

1 作業時間/個数 * 6 個 * 15.00 * (100 / 80.0) + 10.00 = 122.50

資源/資源グループを作業に追加したり、作業から削除しても、作業の原価に影響しません。