APS 分割作業

製造作業によっては、作業数量を「分割」というより小さな単位にグループ分けしたほうが効率がよくなることがあります。作業に必要となる資源を複数割り当てることによって、分割を同時に処理することができるようになります。

たとえば、成型業においては、同一品目の複数の金型を同時に使用できる場合などです。APS Planning、Scheduling で使用される作業モデルでは、[分割ルール]、[分割サイズ]、[分割グループ] というフィールドを使用することにより、作業の分割がサポートされます。この方法で作業レベルでオーダ数量を分割すると、オーダサイズに基づいた合計作業時間の一部が、その相対のサイズに従った分割数量に分割されます。分割毎に、工程で必要な資源が割当られて、設定されていることが必要です。

注: 必要な資源グループからの使用可能なメンバよりも多くの分割が作成される場合は、割当可能な資源別に順番に分割が処理されます。個数別ではなく、固定段取時間を作業で使用する場合は、各分割に、[ステップ時間 * 分割サイズ /合計需要サイズ] の計算式の結果に等しくなるステップ時間が必要となります。

分割は、APS プランナの出力において、作業レベルで各分割に対して個別の JOBPLANnnn レコードを作成することにより識別されます。

分割ルール 分割名 説明
デフォルト 分割なし オーダ数量を分割することなく作業が完了します。
1 分割サイズ 分割サイズで指定された分割数量で作業におけるオーダが処理されます。オーダ数量が分割サイズで割り切れない場合は、残数量は別の分割数量として処理されます。
2 ロードの分割 分割サイズは、作業においてオーダを分割する数量を示します。各分割のサイズは、「オーダサイズ/分割サイズ」により計算されます。最後の分割のサイズは、分割数量の合計が元のオーダ数量と一致するように調整されます。
3 グループの分割 グループの分割によって指定された資源グループが確認されます。作業の開始日(または、プル計画では終了日)において利用可能であるこのグループ内のメンバ数によって、オーダ数量が分割される分割数が決定されます。各分割のサイズは、「オーダサイズ/利用可能なグループメンバ数」により計算されます。最後の分割のサイズは、分割数量の合計が元のオーダ数量と一致するように調整されます。
4 全グループの分割 グループの分割によって指定された資源グループが確認されます。このグループ内のメンバ数によって、オーダ数量が分割される分割数が決定されます。各分割のサイズは、「オーダサイズ/グループメンバ数」により計算されます。最後の分割のサイズは、分割数量の合計が元のオーダ数量と一致するように調整されます。

制限:

  • 分割数量は、この作業の範囲以外には適用されません。
  • 作業分割は、作業の前バッファと後バッファには影響を与えません。
  • 分割作業を使用する作業ではオフセットは使用できません。指定されたオフセットは全て、プランナ警告では無視されます。

例: 以下の作業の例について見てみます。

段取時間 = 1 時間、稼働時間 = 0.1 時間/個

金型資源グループから 1 資源が必要。この資源グループには 2 メンバあり。

オーダ数量 = 100

分割を行わないと、作業は金型資源グループから 1 メンバを割当てます。作業合計時間は、段取時間+(稼働時間) x (オーダ数量)、または 11 時間。ただし、分割ルール 4 と分割グループ金型を使用した分割を許可するようにこの作業を構成すると、作業はこのオーダをサイズが 50 の 2 つの分割に分割し、(資源の有効性に従って) 両方のメンバを金型リソースグループから両方のメンバを割当てます。これらの資源では資源の衝突がない場合、作業合計時間は、段取時間+(稼働時間) x (分割数量)、または 6 時間となります。1 hr.5 時間