グローバル計画について
グローバル計画の手順
APS 計画をグローバルモードで実行する場合、APS は以下の手順を実行します。
- [APS サイトおよび代替案管理] フォームで定義した全サイトに接続します。このとき、全サイトのプランナデータベースにロックがかかります。グローバル計画処理中は、いずれのサイトでも ATP/CTP 取得 処理の実行または APS 計画の実行を行えません。
- サイト優先度を確認して、優先度が最も高いサイト(優先度数値が最小のサイト)で計画処理が開始されます。
- サイトの全需要を削除して再計画を行います。リモートサイトから供給されるコンポーネントがあれば、移動オーダが計画されます。
所定のサイトで計画処理が行われる方法の詳細は、「計画処理について」を参照してください。
- サイト優先度階層に従って次のサイトの計画を開始します。
- 全サイトの再計画が終了すると、グローバル計画が完了し、プランナデータベースのロックが解除されます。このとき、各サイトにおいて、プランナデータベースのロック中の計画処理時に SyteLine に入力されたトランザクションが、この計画に追加で投入されます。
グローバル APS 計画中、または追加計画処理中、別のサイト(つまり、「サイト間」移動)によって供給されるコンポーネントを品目が必要とした場合、次のように移動オーダが計画されます。
- リモート品目を生産する供給サイトに接続します(品目レコードの [供給サイト] フィールドに基づく)。
- 供給サイトのプランナデータベースのテスト用コピーを作成し、品目を計画します( [Infor サイト間パラメタ] フォーム で定義した移動時間値も考慮します)。
- 供給サイトの生産プランナデータベースのコンポーネントを計画し、計画移動需要オーダを作成します。
- リモートコンポーネントが必要なサイトで、対応する計画移動供給オーダを作成します。
APS 計画が供給サイトに接続できない場合(サイトのプランナデータベースが停止している、ネットワークの問題などによる)、 [サイト間パラメタ] フォームで定義した品目のリードタイムおよび移動時間を使用して、リモートコンポーネントの予測有効在庫を判別します。
移動オーダは、コンポーネントの所要量によっては、追加のリモートオーダを自動的に生成できます。たとえば、サイト B で生産されるコンポーネントがサイト A で必要な場合、サイト B のコンポーネントにサイト C で生産されたコンポーネントが必要であれば、APS 計画は自動的にサイト C で需要移動オーダを計画します。
移動供給オーダが需要オーダによって生成されると、他の需要オーダは移動供給オーダによって作成された在庫を使用できません。しかし、最小ロットサイズのために生成された超過在庫は、その他の需要で割り当てるように供給サイトで使用可能です。
APS 計画は、計画 移動オーダを作成します。それらは、ユーザが、 [計画詳細] フォームまたは [資材プランナワークベンチ] フォームまたは [サイト内移動詳細確定移動オーダ] フォームを使用して実際の移動オーダに確定する必要があります。
部品表のサイト間循環について
システムでは、単一のオーダ明細のサイト間循環をサポートしていません。すなわち、あるサイトの品目は、品目部品表のより上位に位置する供給サイトからコンポーネントを要求できません。次の例は、サイト間循環を示したものです。
この例では、品目 d はサイト A で作成されます。これは既に部品表の親ノードで指定されています(そのため、システムは既にサイト A で計画を実行しています)。このような場合、品目 d はサイト A で計画されず、代わりに、品目 d の標準リードタイムを使用して品目 d の計画オーダが作成されます。
[要求詳細チャート APS] フォームでは、この計画オーダはラベル「サイト再帰 - 新規発注品を使用」と連動します。
[計画詳細] フォームでは、この計画オーダは「サイト再帰 - リードタイムに使用」例外メッセージと連動します。これらの計画オーダは移動オーダで確定する必要があります。
移動オーダレプリケーションについて
[計画パラメタ] フォームに定義されていない供給サイトの場合、APS 計画を起動したサイトから送られる全ての需要を供給サイトが「監視できる」ようなレプリケーションルールを設定する必要があります。
詳細については、「計画移動オーダレプリケーションの設定」を参照してください。