PROGRESS と SQL での MRP の相違点
SQL バージョンの MRP アルゴリズム
SQL の MRP が使用する計画アルゴリズムのほとんどは、PROGRESS バージョンで使われているアルゴリズムと同じです。SQL バージョンの MRP では、品目が現在のジョブ生産計画部品表全てに表示される最下位レベルをベースに所要量を計画します。すなわち、MRP では、全ての終了品目をまず計画し、続いて次のレベルの全ての品目を計画し、さらに次のレベルの全ての品目というように、需要の必要日から品目のリードタイムに遡って各所要量を計画し、同時期に必要な品目もまとめます。SQL バージョンの MRP は、正確な計画の導入に役立つ計画オーダおよび例外メッセージを生成します。
MRP ビジネスプロセス
MRP を使用する際の処理については、SQL バージョンでも大幅な変更はありません。PROGRESS バージョンの MRP の場合と同様、MRP 生成を実行する前に最新部品表プロセッサおよびジョブ生産計画部品表プロセッサを実行して、ローレベルコードに誤りがないことを確認する必要があります。
SQL バージョンには PROGRESS バージョンにある MRP 機能も備わっています。
- [リードタイムプロセッサ] を使用して、作業手順に定義されている時刻値から製造品目リードタイムを計算する。
- [資材プランナワークベンチ] または [オーダ勧告レポート] を使用して、計画オーダの推奨発行日を表示する。
- [資材プランナワークベンチ] または [計画詳細] フォームを使用して、例外メッセージを表示し、計画オーダをジョブ、生産計画などに確定する。
MRP は、ネットチェンジまたは再生成モードで実行できます。PROGRESS バージョンの場合と同様、ネットチェンジモードでは、MRP の最後の実行以降に手持在庫、供給、または所要量に関する情報が変更されている品目のみが計画されます(品目レコード上の [ネットチェンジ] フィールドを介して追跡)。品目の手持在庫、供給、または所要量に関する情報に変更を加えると、その品目レコード上の [ネットチェンジ] フィールドが自動的に選択され、その品目が次のネットチェンジ MRP の実行に組み込まれます(PROGRESS バージョンの場合と同様)。MRP を再生成モードで実行すると、データベース内の全ての品目が計画されます。
このトピックの残りのセクションでは、特定のフォーム、フィールドの相違点をはじめ、その他の多様な相違点もリストします。たとえば、PROGRESS バージョンフォームまたはフィールドから同等の SQL バージョンコンセプトに直接マッピングされませんが、ほとんどの場合、置換コンセプトが存在します。
下の表は、SQL バージョンではタイトルが異っていたり、他の機能を介して処理されたりする画面/フォーム/パラメタのみをリストしたものです。SQL バージョンでも PROGRESS バージョンと同じ名前で存在するフォーム( [資材プランナワークベンチ] など)については、リストされていません。
フォーム/画面の相違点
PROGRESS バージョンの画面 | 相当する SQL バージョンの画面 |
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計画詳細表示 | 計画詳細フォーム |
MRP 生成 | MRP 計画フォーム |
MRP オーダ勧告レポート | オーダ勧告レポート |
ラフカットキャパシティ計画画面 | (RCCP は SL7 には非導入) |
資源マスタ | (ユーザ定義資源は SQL には非導入) |
ネットチェンジフラグ設定済み品目レポート | [品目] フォームの [ネットチェンジ] フィールドにフィルタを適用して [ネットチェンジ] フィールド設定済み品目のリストを取得 |
計画オーダのロードユーティリティ | 工程管理パラメタフォームで 計画オーダスケジュールパラメタ を使用 |
パラメタの相違点
PROGRESS バージョンのパラメタ | PROGRESS の画面 | SQL バージョンのパラメタ | SL(SQL)のフォーム |
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製造および購買オーダオンライン計画パラメタ | 計画パラメタ | (SQL には非導入) | N/A |
受注オーダと需要予測オンライン | 計画パラメタ | (非導入。ただし、この機能は内部的に SQL データベース構造を介してサポートされます) | N/A |
移動オンライン | 計画パラメタ | (非導入。ただし、この機能は SQL レプリケーション機能を介してサポートされます) | N/A |
倉庫検討 | 計画パラメタ | 専用在庫 | 倉庫 |
計画転記先 | 計画パラメタ | (非導入。ただし、この機能は SQL レプリケーション機能を介してサポートされます) | N/A |
JIT スケジューリングを使用 | 計画パラメタ | 作業開始時の資材を計画 | 計画パラメタ |
動的 LT を使用 | 計画パラメタ | 計画のスケジュール済時間を使用 | 計画パラメタ |
マルチサイトグループ ID | 計画パラメタ | (非導入。ただし、この機能は SQL レプリケーション機能を介してサポートされます) | N/A |
MRP 終了日 | ジョブオーダ | 最も似ているのはジョブの 予測日 です。MRP 計画におけるこのフィールドの使用方法について詳細は、[ジョブ日について] のトピックを参照してください。 | ジョブオーダ |
例外メッセージの相違点
PROGRESS バージョンの例外メッセージ | SQL バージョンの例外メッセージ |
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再計画受入 | 受入日繰上
受入日繰延 |
スケジュール受入不要 | 受入不要 |
スケジュール受入納期遅延 | 受入遅延予定 |
スケジュール所要量納期遅延 | 所要量遅延予定 |