リードタイムプロセッサアルゴリズムについて

[リードタイムプロセッサ] (LTP)ユーティリティの目的は、最新の作業手順を構成する作業の期間を使用して、品目の固定および変動リードタイムを計算することです。固定リードタイムは日数で表されます。変動リードタイムは時間で表し、1 個当たりの作業時間になります。

基本アルゴリズム

[リードタイムプロセッサ] はこのアルゴリズムを使用して [固定リードタイム] を計算します。

  1. 品目の現在の作業手順を構成している全作業の段取、移動、待ち、および終了時間を合計します。
  2. 合計値を DSC シフト(「デフォルト」シフト)の日次平均時間で割ります。
  3. 最も近い整数に切り上げまたは切り捨てます。
  4. 品目レコードの [固定リードタイム] フィールドに結果の日数を転記します。

[リードタイムプロセッサ] はこのアルゴリズムを使用して [変動リードタイム] を計算します。

  1. 品目の現在の作業手順を構成している全作業の作業時間数を合計します。
  2. 合計値を 100/作業効率(パーセント)と掛け合わせます。
  3. 品目レコードの [変動リードタイム] フィールドに結果の時間数を転記します。

作業で [固定 SCHD 時間] フィールドに数値が入っている場合、 [リードタイムプロセッサ] は、移動、待ち、段取、作業、および終了時間に、この数値を加えます。

WC カレンダ使用とオフセット時間使用

作業オーバーラップを使用したり、1 日当たりの時間数を変えながら複数のシフトスケジュールを使用する場合、[WC カレンダ使用] および [オフセット時間使用] オプションを用いると、システムのリードタイムをより正確に計算できるようになります。次に、この 2 種類のオプションが計算に与える影響について説明します。

品目の現行作業手順の作業の一部に、1 日当たりの時間数がシフトよりも多いまたは少ないものがある場合、計画オーダを作成するときに MRP または APS 計画が計算する日付は、スケジューラーが生成する日付とは異なる場合があります。

可変長カレンダを考慮に入れるため、[WC カレンダ使用] オプションを有効にし、1 日当たりの超過可能時間数を補正します。[WC カレンダ使用] を選択すると、 [リードタイムプロセッサ] によって、シフトを使用していない各作業のシフト係数が計算されます。このシフト係数を求めるために、LTP では、作業のワークセンタ用に指定したシフトスケジュールを使用します。この計算は以下のようになります。

(シフトで指定した 1 日当たりの平均時間数 / 作業ワークセンタのシフトで指定した 1 日当たりの平均時間数)

次に、 [リードタイムプロセッサ] は、作業の固定および変動時間数にシフト係数を掛け合わせます。たとえば、10 時間/日のワークセンタを使用する作業で、作業時間が 1 時間/個であり、シフトが 8 時間の場合、この品目の累計変動リードタイムに、0.8 時間が加えられます。

このオプションを使用すると、作業オフセット時間をリードタイム計算に組み込めます.[オフセット時間使用] の選択を解除すると、最初に説明したように、 [各作業の段取と作業時間] が単純に累計されます。この計算では、各作業は前回の作業が終了したときに開始されることが想定されており、作業オーバーラップ([オフセット] フィールドで定義)については考慮しません。

[オフセット時間使用] を選択した場合、アルゴリズムは作業オーバーラップを補正しようとします。 [リードタイムプロセッサ] がオフセット時間を持つ作業に遭遇した場合、作業時間合計から前回の作業の固定および変動リードタイムを減算し、固定リードタイム合計に現在の作業オフセット時間を加算します。すなわち、システムは、現在の作業オフセット時間は前回の作業時間であると仮定しています。前回作業の移動、待ち、段取、および作業時間のフィールドに指定した実際の値は変更されません。