記帳について - LIFO および FIFO 原価法

このトピックでは、LIFO および FIFO 原価法の転記について説明します。

LIFO および FIFO 原価品目の受入時の原価の記帳

品目を在庫に受け入れるシステム処理は、以下のとおりです。

購買オーダ受入
ジョブ受入
作業実績の記帳
ジョブ資材回収
受注オーダ返品:
在庫調整
循環棚卸の記帳
計画外入庫
実棚卸の記帳

品目 LIFO ファイル

LIFO（後入先出）および FIFO（先入先出）の原価の場合、システムは、品目の受入全てのスタックを、品目 LIFO ファイルで管理します。

購買、ジョブ、または計画外入庫からスタックへ品目を受け入れるたびに、以下の情報を含んだ LIFO レコードが作成されます。

品目番号
受入日
受入時間
受入済数量
受入原価（製造品目の原価詳細 - 材料費、労務費、固定間接費、変動間接費、および外注費）
一般会計勘定科目

LIFO が使用される場合、受入原価は、 [品目原価] フォームに記録され、 [品目] フォームの[（標準）単価] フィールドに表示されます（表示専用）。[単価] フィールドには、品目を出庫するときに使用する次の原価が表示されます。

FIFO が使用される場合、受入原価は、 [品目原価] フォームに記録され、 [品目] フォームの[（標準）単価] フィールドに表示されます（表示専用）。[単価] フィールドには、その品目のファイルで最も古い品目 LIFO レコードの原価が表示されます。

受注オーダ返品、在庫調整、循環棚卸の転記、実棚卸の記帳、または資材回収から、品目が在庫に受け入れられるたびに、品目 LIFO ファイルの最後のレコードに現時点で記録されている数量に、受け入れた数量が追加されます。

注: 各品目のファイルの最新の LIFO/FIFO 情報は、 [品目 LIFO/FIFO サマリ] レポートと [品目 LIFO/FIFO 詳細] レポートに表示されます。

LIFO レコードに記録される受入原価は、記帳されているトランザクションに応じて異なります。

購買オーダ受入トランザクションの場合、記録される受入原価は、デフォルトで、購買オーダ明細の単価になります。
[購買オーダ受入] を通じて品目が受け入れられた場合、受入原価のデフォルト値は、購買オーダ明細の単価から取得されます。
[計画外入庫] が行われる場合、使用される受入原価は、トランザクションが処理される時点で、ユーザが入力します。
在庫をジョブから受け入れた場合、使用される[受入原価]は、 [工程管理パラメタ] フォームの [完了基準原価] フィールド、ジョブの状況、およびジョブ作業の[「完了」]フラグによって決まります。最後の作業で作業トランザクションを使用して、受入を行っている場合は、ジョブオーダを終了することができます。トランザクションが入力されたときにジョブを終了した場合は、使用される受入原価は、常にジョブの実際単価になります。
ジョブを終了せず、[完了基準原価パラメタ]を [ジョブ] に設定しいる場合、使用される[受入原価]はジョブの計画単価になります（計画単価は、 [最新作業] フォームと [最新資材] フォームからの設定、実行時間、および率に基づきます）。
ジョブを終了せず、[完了基準原価パラメタ]を [作業] に設定している場合、使用される[受入原価]は、ジョブの作業の [完了] フラグによって決まります。
完了した作業から実際原価が累計され、未完了の作業から計画原価が累計されて、最終受入原価が決定します。

元帳配賦仕訳帳

品目が在庫（購買または製造）に入れられると、適切な元帳配賦仕訳帳（受注オーダ配賦、IC 配賦、購買オーダ配賦、または SF 配賦）に新規トランザクションが作成されます。

受入購買オーダ、受入ジョブ、または受入計画外出庫のトランザクションで使用される [受入原価] は、上記の [受入原価] になります。
在庫調整に使用される [受入原価] は、トランザクションが入力された時点で、品目 LIFO ファイルの最後のレコードになります。受注オーダ返品に使用される [受入原価] は、明細品目に対する全ての出荷の平均です。
ジョブ資材回収に使用される [受入原価] は、品目がジョブへ出庫されたときの実際原価の平均になります。

LIFO および FIFO 原価品目の出庫時の原価の記帳

以下のトランザクションを処理すると、システムの在庫から品目が出庫されます。

ジョブ資材出庫
受注オーダ出荷
購買オーダ返品
在庫調整
計画外出庫
循環棚卸の記帳
実棚卸の記帳

在庫から品目を出庫する場合、 [品目原価] フォームと [品目] フォームの[（標準）単価] フィールドにはアクセスしません。品目を出庫する場合、システムでは、全数量を出庫するまで、その品目に関する品目 LIFO ファイルの数量と原価を使用します。

[品目原価] フォームと [品目] フォームの[（標準）単価] フィールドには、品目を出庫するときに使用する次の原価が表示されますが、出庫する数量を満たすために複数の品目 LIFO レコードを消費する必要がある場合には、出庫原価合計に達するために複数の単価が使用されることがあります。数量と原価が消費されると、レコードは品目 LIFO ファイルから削除されます。LIFO または FIFO 原価が使用される場合、システムでは、品目がどの在庫保管場所から出荷されるかは問題になりません。受入のタイミングだけが問題になります。