複数財務帳簿セットの概要

SyteLine は、総勘定元帳に加えて、1 つ以上の元帳のレポートを必要とするビジネス向けに [複数財務帳簿セット(FSB)] 機能を提供します。それぞれの新しい元帳には、総勘定元帳で使用されるものとは異なる会計カレンダー、勘定科目、および通貨の任意の組み合わせを含むことができます。各組合せは、個別の財務帳簿セットを作成し、必要なだけ設定できます。

[一般パラメタ] フォームにおける設定は、複数財務帳簿セット機能を有効にするために使用されます。このオプションを選択することで、 SyteLine の複数財務帳簿セットフォームを使用して、複数財務帳簿セットを定義および有効化できます。フォーム機能の多くは、標準の総勘定元帳のフォームと類似しています。

このテーブルには、該当する場合、複数財務帳簿セットフォームおよび関係のある標準の総勘定元帳フォームが、全て一覧表示されます。

複数財務帳簿セットフォーム 関係のある標準の総勘定元帳フォーム
[複数財務帳簿セット会計期間] [会計期間]
[複数財務帳簿セット科目] N/A
[複数財務帳簿セット勘定科目] [勘定科目]
[複数財務帳簿セット] N/A
[複数財務帳簿セット勘定科目一覧予算と計画] [勘定科目一覧(予算と計画)]
[複数財務帳簿セット仕訳記帳] [仕訳記帳]
[複数財務帳簿セット元帳を仕訳帳に転記] [元帳を仕訳帳に転記]
[複数財務帳簿セット予算への残高コピー] [予算への残高コピー]
[複数財務帳簿セット勘定科目コピー] N/A
[複数財務帳簿セット勘定科目マッピングレポート] N/A
[複数財務帳簿セット総勘定元帳] [総勘定元帳]
[複数財務帳簿セット総勘定元帳小切手情報レポート] [総勘定元帳小切手情報レポート]
[複数財務帳簿セット総勘定元帳トランザクションレポート] [総勘定元帳トランザクションレポート]
[複数財務帳簿セット総勘定元帳ワークシートレポート] [総勘定元帳ワークシートレポート]
[複数財務帳簿セット仕訳勘定科目サマリ] [仕訳勘定科目サマリ]
[複数財務帳簿セット仕訳帳トランザクションレポート] [仕訳帳トランザクションレポート]
[複数財務帳簿セット試算表] [試算表]
[複数財務帳簿セット元帳トランザクションの圧縮] [総勘定元帳トランザクションの圧縮]
[複数財務帳簿セット元帳期間合計残高再計算] [元帳期間合計残高再計算]
[複数財務帳簿セット勘定/ユニットの表示更新] [勘定/ユニットの表示更新]
[複数財務帳簿セット会計年度末仕訳記帳] [会計年度末仕訳記帳]
[複数財務帳簿セット会計期間の照会] [会計期間の照会]
[複数財務帳簿セット科目の照会] N/A
[複数財務帳簿セット勘定科目の照会] [勘定科目の照会]
[複数財務帳簿セットの照会] N/A
[複数財務帳簿セット勘定科目一覧予算と計画の照会] [勘定科目一覧(予算と計画照会)]
[複数財務帳簿セット仕訳記帳の照会] [仕訳記帳の照会]

複数財務帳簿セット会計期間

それぞれの新しい会計カレンダー用の複数財務帳簿セット会計期間は、 [複数財務帳簿セット会計期間 ] フォームを使用して作成し、その他の会計期間全てからそれらを区別する名前を付与する必要があります。システムによって期間が変わったり、末処理がなされなかったりするため、たとえ設定が標準総勘定元帳会計期間に一致する場合であっても、それらを手動で保守する必要があります。

複数財務帳簿セット勘定科目

[複数財務帳簿セット科目] フォームを使用して、一意の複数財務帳簿セット勘定科目レコードを作成した後、通常は、勘定は [複数財務帳簿セット勘定科目コピー] フォームを使用して自動的に追加されます。また、勘定は [ 複数財務帳簿セット勘定科目] フォームを使用して手動で追加できます。

複数財務帳簿セット勘定科目に追加された勘定は、その科目にのみ存在でき、他の複数財務帳簿セット科目で使用できません。ただし、同じ勘定科目は他の勘定科目でも使用できます。それらは各科目で異なる勘定として処理されます。

それぞれの複数財務帳簿セット勘定は、標準の総勘定元帳勘定科目において 1 つ以上の勘定にマッピングできますが、マッピングは必須ではありません。分析勘定を除く全ての総勘定元帳勘定は、複数財務帳簿セット勘定にマッピングする必要があります。分析勘定はマッピングされません。また、総勘定元帳勘定は、複数財務帳簿セット勘定科目当たり 1 つの勘定のみにマッピングできます。複数財務帳簿セット勘定のユニットコードを指定するか、マッピングされた総勘定元帳勘定からそれらを継承できます。ユーティリティを実行して、選択した複数財務帳簿セット勘定科目に対して、全ての総勘定元帳勘定が正しくマッピングされたことを検証できます。 [複数財務帳簿セット勘定科目マッピングレポート ] は、このマッピングを参照するために提供されます。

次の例には、さまざまな勘定を複数財務帳簿セット勘定科目にマッピングできる方法が示されています。

また、 [複数財務帳簿セット勘定科目一覧予算と計画] フォームは、各個々の勘定科目、会計期間および会計年度に対する予算、計画、および実際金額を入力できます。

複数財務帳簿セット元帳

複数財務帳簿セット会計カレンダー、 [複数財務帳簿セット勘定科目] 、および新しいまたは選択した通貨の組み合わせに名前をつけたり、設定したり、および有効化に、 複数財務帳簿セット が使用されます。複数財務帳簿セットの 1 つに対し、標準の総勘定元帳にあるものと同じ勘定科目または会計カレンダーを使用する場合、複数財務帳簿セットフォームを再度使用して、その COA または会計カレンダーを作成する必要があります。

有効化の後、複数財務帳簿セット元帳はトランザクション受入準備が完了します。レコードが総勘定元帳に転記される際、レコードは全ての有効な複数財務帳簿セット元帳にも転記されます。また、複数財務帳簿セット元帳は、 [複数財務帳簿セット仕訳記帳 ] フォームを使用して、転記するレコードを受け入れることができます。

複数財務帳簿セット元帳レコードは複数財務帳簿セット通貨を使用し、標準総勘定元帳勘定のマッピングに基づいて複数財務帳簿セット勘定に記録されます。

仕訳記帳は任意の有効な複数財務帳簿セットに作成できますが、トランザクションは一般仕訳帳にのみ入力できます。複数財務帳簿セットトランザクションは、総勘定元帳または他の複数財務帳簿セット元帳には転記されません。

年度末仕訳記帳

総勘定元帳簿セットが年度末に閉じられると、その内容は、勘定マッピングに基づいて、有効な複数財務帳簿セット全てに転記されます。ただし、これらのトランザクションは複数財務帳簿セット元帳レポートには表示されません。また、勘定層元帳簿セットが閉じられる時に、複数財務帳簿セットは、それらが同じ会計カレンダーであったとしても、閉じられません。有効な複数財務帳簿セットごとに、 [複数財務帳簿セット会計年度末仕訳記帳] ユーティリティを使用して別々に閉じる必要があります。年度末の手順を完了するためには、トランザクションを転記する必要があります。複数財務帳簿セットでなされた年度末トランザクションまたは調整は、その他の任意の財務帳簿セットに記録されません。

様々な会計年度末

全ての年度末トランザクションは、トランザクションの日付に基づいて、会計期間に記録されます。従って、トランザクションが総勘定元帳財務帳簿セットから全ての有効な複数財務帳簿セットにコピーされると、各トランザクションは、その財務帳簿セットに割り当てられた会計期間内に記録されます。この方法で、トランザクションは、各財務帳簿セットの会計期間に基づいて、異なる期間、および異なる会計年度にも記録できます。

レポート

複数財務帳簿セット元帳からレポートを実行して、各トランザクションを、以下を基準に表示できます。

  • 複数財務帳簿セット勘定にて
  • 複数財務帳簿セット通貨にて
  • 複数財務帳簿セット会計期間にて

総勘定元帳と試算表残高レポートは財務諸表から利用できますが、複数財務帳簿セットトランザクションは利用できません。損益サマリーまたは年度末の参照とともに、元帳エントリーは複数財務帳簿セット総勘定元帳レポートでレビューできます。

制限

SyteLine の複数財務帳簿セット機能には、以下は含まれません。

  • 年度末トランザクションを含めて、標準の総勘定元帳複数財務帳簿セットを使用した複数財務帳簿セットからのトランザクションのマッピング。
  • 同じ複数財務帳簿セット勘定科目内の、複数勘定への単一の総勘定元帳勘定のマッピング。
  • マルチサイト/会計グループコンフィグレーションにおける、複数財務帳簿セットのサポート。
  • 複数財務帳簿セットの期間分類。標準の総勘定元帳の分類が使用されます。
  • 標準の総勘定元帳から、複数財務帳簿セット勘定科目(予算と計画)をコピーする機能。それらは、複数財務帳簿セットに対して手動で入力する必要があります。
  • さまざまな複数財務帳簿セットユニットコードを作成する機能。複数財務帳簿セット勘定は、それらがマッピングされる標準総勘定元帳勘定と同じユニットコードを受け取ります。複数財務帳簿セット勘定が総勘定元帳勘定にマッピングされない場合、複数財務帳簿セットに対してユニットコードを指定できます。複数財務帳簿セット勘定に対して選択できるユニットコード値は、ユニットコード(番号)フォームから取得されます。