総勘定元帳への転記 - 実際原価法

ここでは、在庫トランザクションを総勘定元帳 (GL) モジュールに転記する処理について詳しく説明します。在庫の値に影響を及ぼす [顧客]、[資材]、[購入先]、および [生産] の各モジュールで処理されるトランザクションの全ては、 [製品コード] フォーム、 [部門] フォーム、 [購買管理パラメタ] フォーム、および [配賦勘定] フォームに表示される勘定科目により、該当する在庫配賦仕訳帳 (受注オーダ配賦、IC 配賦、購買オーダ配賦、SF 配賦のそれぞれ) に転記されます。

トランザクション情報一覧については、「実際原価設定: 在庫配賦仕訳帳へのトランザクションの転記」を参照してください。

実際原価設定 - 仕訳帳へ転記

該当する在庫配賦仕訳帳に転記する場合、4 種類の実際原価フロー法からいずれを使用するにしても (平均、LIFO、 FIFO、個別)、同じ総勘定元帳勘定科目が使用されます。このため、一般に、実際原価法 の場合、トランザクションは以下のようになります。

品目が在庫から出庫される際の原価を指して、このトピックでは「出庫原価」という表現が何度か使用されています。使用する原価フロー法に応じて、出庫原価の値は変化します。

使用される一般会計勘定科目

製造モジュールでトランザクションを処理する前に、一般在庫配賦仕訳帳に転記する際に使用される、一般会計勘定科目を設定する必要があります。基本的な勘定科目は製品コードレベルで保存されるので、種々の勘定科目を種々の品目クラスに割り当てることができます。また、単価の原価詳細追跡も考慮されています。

さまざまな原価詳細について個々の勘定科目を保持することにより、仕掛、在庫による原価および商品販売原価がわかりやすく表示されます。また、材料費、労務費、固定間接費、変動間接費、および外注費に関連する内容がより正確に把握できます。こうした原価詳細の表示が必要でない場合、品目の原価詳細構成全体に対して 1 種類の勘定科目を使用することも可能です。

例 - 各原価詳細構成に対して個々の勘定科目を保持する場合

完成品在庫勘定科目および原材料在庫勘定科目が使用され、全品目を同一の在庫勘定に転記しません。

完成品勘定 口座番号
完成品在庫材料費 1001
完成品在庫労務費 1002
完成品在庫固定間接費 1003
完成品在庫変動間接費 1004
完成品在庫外注費 1005
原材料勘定 口座番号
原材料在庫材料費 2001
原材料在庫労務費 2002
原材料在庫固定間接費 2003
原材料在庫変動間接費 2004
原材料在庫外注費 2005

全品目を同一の在庫勘定に転記するのではなく、これらの勘定科目が使用されます。

例 - 完成品在庫および原材料在庫の原価詳細構成全体に対して 1 種類の勘定科目を保持する場合

完成品在庫勘定 口座番号
完成品在庫材料費 1001
固定間接労務費 1001
変動完成品在庫外注費 1001
原材料在庫勘定 口座番号
原材料在庫材料費 2001
労務費 2001
固定間接原価 2001
変動原材料在庫外注費 2001

勘定科目一覧

[製品コード] [部門] [購買管理パラメタ] [ワークセンター] 、および [配賦勘定] の各フォームで表示される勘定科目を以下に一覧にして記載します。

[製品コード]

  • 在庫調整
  • 固定間接材料費適用
  • 変動間接材料費適用
注:  固定間接材料費適用および変動間接材料費適用の勘定科目は、間接費がジョブ資材出庫に基づく場合にのみ必要です。

[購買管理パラメタ] :

  • 支払証書支払勘定
  • 部門
  • 直接労務適用勘定
  • 固定間接費適用勘定
  • 変動間接費適用勘定

これらの比率は部門の値をデフォルトで使用しますが、 [最新作業] [ジョブ作業] 、および [見積作業 の各] フォームでも保持できます。

[ワークセンタ - 原価]

  • 固定間接機械費適用勘定
  • 変動間接機械費適用勘定

これらの比率は部門の値をデフォルトで使用しますが、 [最新作業] [ジョブ作業] 、および [見積作業 の各] フォームでも保持できます。

[配賦勘定 - 在庫] :

  • 在庫材料
  • 在庫労務
  • 在庫固定間接費
  • 在庫変動間接費
  • 在庫外注

[配賦勘定 - 売上/商品販売原価] :

  • COGS 資材
  • COGS 労務
  • COGS 固定間接費
  • COGS 変動間接費
  • COGS 外注費

[配賦勘定 - 移動中] :

  • 移動中資材勘定
  • 移動中労務費勘定
  • 移動中固定間接費
  • 移動中変動間接費
  • 移動中外注勘定
注:  倉庫と製品コードが未入力のデフォルトの配賦勘定をはじめ、あらゆる配賦勘定レコードを削除できます。.

仕訳記帳に使用される在庫勘定科目は、 [製品コード] フォームから直接には取得されません。逆に、トランザクションの実行時にアクセスする保管場所から、使用される在庫勘定科目が取得されます。(在庫モジュールで品目に対して保管場所を追加した場合、 [品目別保管場所] フォームで在庫勘定科目をその保管場所に入力します)品目が属する配賦勘定ファイルに記載された在庫勘定科目が、このフィールドのデフォルトになります。

システムにおいて以下の手順を取り、在庫勘定科目の番号を検索します。

  • システムでは、倉庫および製品コードの両方に完全一致する勘定科目を検索します。
  • 失敗すると、システムでは、製品コードおよび未入力の倉庫に一致する勘定科目を検索します。
  • 失敗すると、システムでは、倉庫および未入力の製品コードに一致する勘定科目を検索します。

システムが使おうとしている勘定科目が設定されていない場合、一般在庫配賦仕訳帳には転記されません。