財務諸表のトラブルシューティング

このトピックでは、財務諸表で発生する可能性のある問題について説明します。

正味入金の誤り

正味入金は、貸借対照表と損益計算書の両方に表示されます。どちらのレポートが表示されているか確認してください。

  • 正味入金の計算は、貸借対照表と損益計算書とでは、同じ方法では行われません。損益計算書の正味入金は、損益計算書にある全ての勘定の小計です。貸借対照表の正味入金の計算は、会計年度開始日と期間終了日の間 (範囲が「B」のとき) の全売上勘定の総処理から費用勘定を差し引いて行います。
  • 勘定科目で定義されている、売上勘定と費用勘定の全てが損益計算書に記載されていることをチェックして確認してください。処理を行った売上勘定や費用勘定で損益計算書に記載されないものがあった場合には、その値は損益計算書の正味入金に組み込まれていなくても、貸借対照表の正味入金数値に入っている場合があります。
  • また、前の年度からの売上勘定と費用勘定に残高がある場合には、正味入金はオフになります。会計年度末を [基準日] として使用して、前の年度ごとに [試算表残高レポート] を実行します。残高が見つかった場合には、残高が存在する年度について一般会計の年度末処理を再実行する必要があります。

留保稼得の誤り

  • 前年度末の処理が行われた日付を把握します。
  • ユーザが説明している勘定科目の区分が勘定科目一覧で「自己資本」として設定されていることを確認します。
  • 最新の会計年度末処理で損益サマリ勘定として使用している勘定科目の区分が、損益計算書のこれらの区分「自己資本」勘定のいずれかであることを確認します。
  • 最新の年度末締め切りで、最新処理年度の最後の日付として基準日を使用して試算表残高レポートを実行することで、全ての売上勘定と費用勘定が残高ゼロになっていることを確認します。残高がゼロでない場合には、全ての売上勘定と費用勘定に関する以前の年度末日付の [試算表残高レポート] を実行して、どの年度末に売上勘定と費用勘定の残高エリアがゼロであるかを確認します。必要に応じて全ての年度について年度末処理を実行します。
  • 年度末処理手順の実行時に、生成されるエントリは、当該会計年度末日のトランザクション日付で一般仕訳帳に入力されます。売上勘定と費用勘定のエントリに関する参照は損益サマリ勘定であり、「損益サマリ」勘定として指定される 1 つの勘定科目 (通常は留保稼得) には、「完了年度」という参照があります。一般会計レポートには、これらの参照のあるエントリが組み込まれます。損益サマリエントリが無視されるのは、財務諸表のみです。このことに対する理由によって、会計年度末の処理手順を実行後の 1 年間にわたって諸表を実行したり、その年度の正味入金を留保稼得に積み上げたりすることが可能になります。
  • [財務諸表定義(列)] フォームで、当該留保稼得と正味入金の両方で正味入金金額が前年度の諸表に表示される場合、当該留保稼得勘定の順序レポート明細で「金額区分」フィールドを「繰越」に設定する必要があります(このフォームは以前のバージョンからバージョン 10 に変更されたお客様のみ使用可能。バージョン 10 からの新規のお客様はこのフォームにアクセスできません)。こうすることで、当該年度の留保稼得の開始残高が印刷され、正味入金明細に正味入金のみが表示されます。

諸表で正しい金額がピックされない

  • ユーザがどのような諸表を処理対象としているのかを把握します。
  • 使用されている日付範囲とその管理元を確認します。 [財務諸表出力] フォームに入力した日付は、財務諸表ヘッダの日付を上書きしません(このフォームは以前のバージョンからバージョン 10 に変更されたお客様のみ使用可能。バージョン 10 からの新規のお客様はこのフォームにアクセスできません)。ヘッダに入力した日付を空白にする場合には、日付フィールドをクリアさせてください。
  • 諸表のヘッダ、区分、さらに最も重要なこととして範囲に関する情報を確認してください。区分で、検索している諸表の区分が付与されることを確認してください。貸借対照表には資産、負債、および自己資本勘定科目が記載されるため、範囲は通常 S または B となります。損益計算書には売上勘定と費用勘定が記載されるため、範囲は P または Y となります。
  • 財務諸表の情報を総勘定元帳レポートと突き合せてください。ガイドラインを以下に示します。
    • 貸借対照表が不均衡である場合には、全ての勘定科目に関する試算表残高レポートを生成して、元帳全体が不均衡であるかどうかを確認します。不均衡でない場合には、このレポートに記載された残高と貸借対照表の内容を比較します。差異がある場合には、これらの勘定科目について [元帳期間合計残高再計算] ユーティリティを実行します。元帳が不均衡である場合には、 [元帳期間合計残高再計算] を実行してから、 [試算表残高レポート] を再実行します。それでも元帳が不均衡である場合には、アプリケーションサポート担当に連絡してサポートを受けてください。
    • 損益計算書残高が間違っている場合、全ての「売上」勘定と「費用」勘定について [総勘定元帳レポート] を実行してください。このレポート上の期間合計と、損益計算書上の合計を比較します。差異がある場合には、これらの勘定科目について [元帳期間合計残高再計算] ユーティリティを実行します。
    • いずれのレポートでも勘定科目が見当たらないようである場合、順序レポート明細に移動してから、 [財務レポート勘定確認] 処理を実行します。この処理では、勘定科目一覧でどの勘定科目が諸表に見当たらないかがチェックされます。続いて、これらの見当たらない勘定科目を諸表に追加する必要があります。