連結の概要
会計グループ
マルチサイト環境では、運営サイトの報告先となる財務会計グループの階層を指定できます。財務会計グループは、以下のようなビジネス運営のレベルです。
- 完全な一連の財務諸表がある
- 独自の自国通貨コードがあり、これは報告元のサイト間で必ず共有され、独自の自国通貨レートがあり、これはは報告元のサイト/会計グループで共有される場合も共有されない場合もある
- 報告元のサイト間で共有する独自の勘定科目テンプレート、勘定科目一覧、および会計期間がある(報告先の会計グループは、これらの特性を共有する必要はありません)
各会計グループは、期間、勘定科目一覧、および通貨の保守や、連結された元帳および予算の報告以外のビジネス活動は許可されません。会計グループデータベースは、全てデフォルト権限グループ「会計グループフォーム」に属し、会計グループレベルのフォームにのみ使用が制限される必要があります。また、これらのユーザーは、「会計グループ」モジュールのライセンスを取得する必要があります。
[元帳詳細] カテゴリーがサイトから会計グループにレプリケートされている場合、元のトランザクションのレベルまで詳細を表示できることがあります。(この場合、トランザクションレベルの詳細で必要な他のカテゴリもレプリケートされていることが前提となります。このレベルの総勘定元帳と他のトランザクション詳細を会計グループにレプリケートしても、通常はパフォーマンスの観点では意味がありません)これ以外の場合、トランザクション詳細を表示するには、該当するサイトにアクセスする必要があります。
カテゴリーのレプリケートについての詳細は、「 『Multi-Site Planning Guide (マルチサイト計画ガイド)』 」を参照してください。
会計グループに報告を行うサイト
会計グループに報告するサイトでの作業の大部分は、以下の財務処理を含め、報告を行わないサイトと同じです。サイトが会計グループに報告する場合、そのサイトの 勘定科目 一覧 は、会計グループに保持され、そこからコピーされます。[勘定科目] 一覧 のローカルコピーでは、レコードを削除し、勘定のサブセットを使用できます。サイトでは、会計グループの自国通貨を使用する必要がありますが、レートは独自のレートを使用できます。転記済元帳トランザクション および 予算 を階層全体の会計グループにコピーするには、連結ユーティリティを報告元サイトで実行する必要があります。
サイトは会計グループに報告する必要はありません。報告がない場合、財務は連結されません。
会計グループとレポート構造の設定
システムデータベースを作成する、またはサイトや会計グループをデータベースに追加するには、サイト区分を指定する必要があります。財務会計グループとして使用するサイトを作成するには、会計グループのサイト区分を指定します。
顧客や購入先のエントリーや選択といった処理データは、会計グループには必要ありません。
階層の定義
サイトや会計グループの階層を定義または変更する場合、以下のように複数のツールを利用できます。
- [報告先会計グループの変更] このユーティリティは、サイト/会計グループが報告する次のレベルの会計グループを指定するときに、報告元サイト/会計グループで使用します。
- [マルチサイト科目コピー] このユーティリティは、報告元サイト/会計グループに [勘定科目一覧] をコピーするときに、会計グループで使用します。
- [元帳連結] このユーティリティは、財務レポート階層全体で、サイトのこれまでに連結されていない全てのレコードを連結するときに、報告元サイト/会計グループで使用します。
詳細については、「連結レポート構造の設定」を参照してください。
実装に関する支援が必要な場合、 Infor コンサルティングサービスにご相談いただくことをお勧めします。
調整済財務階層は必要ありません。
レポート構造の変更
長期的には、サイトが変わり、会計グループの階層も変わることがあります。階層が変わっても、階層連結財務データは 変わらず、それまでの階層在庫推移サイト/会計グループ構造が保持されます。これにより、構造が変わった後でも、以前の期間の報告ができ、目的の結果を達成するまでドリルダウンすることができます。報告構造が変わった時点で、大きなトランザクションが転記され、全ての選択済下位サイトの全ての勘定科目が完了され、各勘定科目の勘定科目残高が計算されます。このトランザクションの半分は、既存の構造にすぐに連結され、残高が効率的に調整されます。この階層が変わると、トランザクションのもう一方の半分が新しい構造に連結され、全ての勘定科目の期首残高が作成されます。サイトレベルでは、同じ金額の借方および貸方が同じ日に同じ勘定科目に転記されるので、これには影響されません。
レポート階層を変更する場合、以下の点に注意してください。
- 会計グループでの財務諸表報告は、階層が所定の位置にあった期間に発生したトランザクションのデータのみを示します。
- 会計グループのレポート先マッピングを変更する場合、以前の設定に関する履歴オーディットトレイルはありません。
- トランザクションは、階層の変化の有効日、または元帳トランザクション日付に関係なく、現在の構造にのみ連結されます。
通貨
平均為替レートは、サイトで設定された(サイトまたは共有された通貨環境内でサイトの報告先となる中間レベルのエンティティによって設定された)為替レートに基づいて計算されます。元帳連結時、売上勘定と費用勘定を転記する際に、サイトレベルで設定された(サイトまたは共有された通貨環境内でサイトの報告先となる中間レベルのエンティティによって設定された)為替レートが、その期間の平均為替レートの計算に使用され、サイトの通貨によるサイト金額を法人通貨に変換します。元帳連結で法人通貨の金額を正しく転記するには、為替レートをサイト(または共有された通貨環境内でサイトの報告先となる中間レベルのエンティティ)で設定する必要があります。
連結環境で複数通貨を処理する場合の注意事項を以下に示します。
- 基本(自国)通貨は、会計グループに報告を行う全てのサイトで同一であることが必要です。ただし、独自の通貨為替レートを維持したり、該当する会計グループだけで為替レートを維持するように、設定することもできます。
詳細については、デフォルトレプリケーションカテゴリ の共有通貨のレプリケーションに関するセクションを参照してください。
- 会計グループの [勘定科目一覧] では、各勘定に通貨換算方法と為替レート区分を指定します。
- 会計グループの通貨テーブルは、連結中に変換に使用されたテーブルです(サイトでは、該当する会計グループの自国通貨を使用するため、このレベルで通貨変換は行われません)
[勘定科目] フォームで FASB52 標準または GAAP 標準に準拠するには、売上勘定と費用勘定については通貨換算方法が[平均]に、負債勘定と資産勘定については[終了]、 そして自己資産の勘定科目については[スポット]に設定されている必要があります。 [勘定科目] フォームの[勘定クラス]を[資本 - 非金銭]に設定すると、自己資本勘定科目を再評価対象から除外できます。
「FASB52 の概要」を参照してください。
結合対連結レポート
Excel アドインなどの外部ツールで生成された財務諸表は、サイトグループの 結合 データとして表示することも、会計グループおよび報告元サイトの連結データとして表示することもできます。
階層構造を変更する前に、財務諸表のサンプルを作成し、複数サイトの 結合 データがどのように表示されるかを確認する場合、新しく提示された構造を模倣することができます。Excel の財務レポートツールで総勘定元帳機能を使用して複数サイトからデータを取得し、Excel の機能を使用して組み合わせます。残高は、レポート作成用に選択した通貨に変換できます。
Excel の財務レポートツールがあれば、サイト間で同じ [勘定科目] 形式や通貨を使用する必要はありません。たとえば、異なるサイトの現金残高を「=SLGLBAL(“10000”,,,,,”DALS”) + SLGLBAL(“10100”,,,,,”LOND”, “USD”)」のように 1 つの式で組み合わせることができます。この式は、勘定科目、サイト、および通貨 (必要な場合) を指定しています。式の例について説明します。
- LOND 現金勘定は金額を USD に変換する通貨パラメタを使用しています。DALS 現金勘定は最初から USD であるため通貨パラメタが必要ありません。
- 10000 と 10100 はどちらも異なるサイトの現金勘定であることを表します。
連結環境を設定した後でも、サイトのグループに対して結合財務諸表を実行できます。
会計グループに対する 連結 財務諸表を実行する前に、その会計グループに対する全ての報告元サイトで [元帳連結] ユーティリティを実行する必要があります。財務諸表を実行する場合、会計グループレベルのデータは既にその会計グループの通貨と [勘定科目一覧] に変換されているため、通貨換算は必要ありません。
元帳連結について
年度末に元帳を連結できます。[年度終了] チェックボックスがオンにされていると、CTA 調整トランザクションが売上勘定と費用勘定の元帳に転記されます。
以下のチェックが行われます。
- 階層は有効か
- 勘定科目のマッピングは適切か
- ユニットコードのマッピングは適切か
- 通貨の変換は適切か
システムでは、連結エントリに記述されている財務会計グループ別に定義された通貨レートテーブルを使用します。換算は、発生サイトのトランザクションのデータに全面的に基づいて実行されます。
階層で区分された各会計グループでの定義を使って、期間合計が作成されます。
このユーティリティが実行されると、ユーティリティは例外レポートを作成し、影響を受けた元帳レコードのみを元に戻し、残りの処理を継続します。
実際にトランザクションを転記する前に、([連結] チェックボックスをオンにしないでおくと)検証モードで実行できます。
再連結する場合は、 [元帳連結フラグの設定] ユーティリティを使って、[元帳連結]フィールドをリセットできます。次に、サイト用でなく、法人および下位の会計グループ用の 元帳 および pertot データベース内にあるデータを削除します。 [元帳連結] を再実行する前に以上のステップを実行しない場合、会計グループ元帳が不安定になります。
ユニットコードのマッピング
各 ユニットコード は、[レポート先 会計] グループの該当する勘定でユニットコードが有効になっている場合、各ユニットコードは [レポート先 会計] グループに文字通りにコピーされます。
予算連結
[予算連結] ユーティリティは、まだ未連結だった全サイトの凍結日までの予算と計画を連結するときに、報告元サイト/会計グループで使用します。現行サイトより上位の階層に含まれる全ての会計グループが、現行サイトと合わせて総勘定元帳または元帳連結データをレプリケートする必要があります。各勘定科目の予算と計画はそれぞれ階層まで連結されますが、現行サイトの予算と計画は変更されません。上位の会計グループの場合は、各会計グループの勘定科目一覧、基本通貨、および財務期間によって新規作成された予算と計画が保存されます。
サイトまたは会計グループが 1 年間の間に階層に出入りすると、元の予算と計画は最新の予算と計画に置き換えられます。