単式簿記の転記取消について

単式簿記を使用する事業者では、転記取消は、取消もしくは、元のエントリのように、同じサイド、借方または貸方でマイナスエントリを使用する逆仕訳調整トランザクションを可能にします。マイナス表示 (-) は調整を識別するために表示されます。転記取消は買掛調整および売掛返品伝票に利用できます。

設定およびアプリケーション

[一般パラメタ] フォームの設定を選択することにより、転記取消機能を使用できます。そうすることで、 [請求書、借方伝票、返品伝票] および [買掛支払証書と調整] フォームの個別調整エントリにこの機能を適用できます。

転記取消を適用すると、これらの表示は後続の転記取消、仕訳記帳およびトランザクションの元帳レポートで見えるようになっています。

  • 関連するフォームやレポートでは、マイナス表示 (-) が調整金額とともに表示されます。
  • これらのフォームでは、表示専用[取消]チェックボックスが選択されます。
  • [買掛転記済トランザクション詳細]
  • [売掛転記済トランザクション詳細]
  • [G/L 転記済トランザクション]
  • [仕訳記帳]
  • これらのレポートでは、「X」がトランザクションの次に表示されます。
  • [買掛支払証書転記レポート]
  • [請求トランザクションレポート]
  • [仕訳帳トランザクションレポート]

処理ルール

以下の処理ルールは、転記の取り消しを行うために存在します。

  • 買掛:

    [買掛支払証書と調整] フォームでは、転記取消調整は元の支払証書番号を参照し、元の支払証書の全額を取消します。部分調整はできません。また、元の支払証書の金額および値引日、期日は変更できません。

    転記済支払証書は一度だけ取消できます。転記済の調整、支払により参照される転記済支払証書は取消できません。

  • 売掛:

[請求書、借方伝票、返品伝票] フォームでは、転記取消返品伝票は元の請求書番号を参照し、元の請求書の全額を取消します。部分返品伝票はできません。また、元の請求書の金額は変更できません。期日は返品期間に基づく既存のルールに従います。

転記済請求書は一度だけ取消できます。転記済返品伝票、借方伝票、支払により参照される転記済請求書は取消できません。

  • 仕訳記帳および G/L 転記済トランザクション

[仕訳記帳] および [G/L 転記済トランザクション] フォームでは、マイナス表示の借方と貸方の金額は AP 配賦仕訳帳で取消調整に表示され、AR 配賦仕訳帳では取消返品伝票に表示されます。借方金額合計はプラスとマイナス表示の借方金額の合計を使用して集計されます。貸方金額合計はプラスとマイナス表示の貸方金額の合計を使用して集計されます。全てのその他エントリは従来型の複式簿記を使用して表示されます。

転記取消の適用はトランザクションエントリを変更しません。転記取消の適用は、以下の例が示すように、借方金額、貸方金額と合計の表示のみに影響します。

元の売掛請求書 元の請求書の複式返品伝票 元の請求書の単式転記取消
Dr 借方売掛 119

Cr 売上 100

Cr VAT 19

Dr 売上 100

Dr VAT 19

Cr 貸方売掛 119

Dr 借方売掛 - 119

Cr 売上勘定 - 100

Cr VAT -19

レポート

返品伝票と支払証書調整に関連するレポートはマイナス表示の借方と貸方の金額を使用するトランザクションを表示します。これはトランザクション、仕訳帳、元帳のサイクルの間に発生する報告に適用します。また、借方金額合計はプラスとマイナス表示の借方金額の合計を使用して集計されます。貸方金額合計はプラスとマイナス表示の貸方金額の合計を使用して集計されます。

[借方合計と貸方合計の個別表示] オプションもレポートに適用される際は、一定のルールが適用されます。