与信保留について

[与信保留] フィールドの更新権限がある場合、顧客または受注オーダを手動で与信保留に変更できます。

または、 [受注オーダ与信保留の変更ユーティリティ] を使用し、 [顧客] フォームの次の 2 つのパラメタに基づいて、受注オーダを選択的に与信保留にすることもできます。

  • [請求日/入金予定日超過]
  • [未処理転記残高限度]

顧客を与信保留にすると、この顧客への出荷ができなくなりますが、個々のオーダは与信保留になりません。個々のオーダを与信保留にするには、 [受注オーダ] フォームを使用します。顧客を与信保留にするには、 [顧客] フォームを使用します。

与信保留の有効化

システムの与信保留機能を有効にするには、 [売掛パラメタ] フォームの [与信保留限度超過理由] フィールドにコードを入力する必要があります。

注意: 
[与信保留限度超過理由] フィールドに未入力のまま、顧客の与信限度の超過時に受注オーダを作成または更新した場合、システムは、このオーダを与信保留にせず、オーダの出荷を防止しません。

与信保留の顧客およびオーダの識別

顧客が与信保留になっている場合、その顧客の顧客レコードと全ての受注オーダレコードに大きな赤色の X が表示されます。手動で顧客を与信保留にした場合、[与信保留] チェックボックスがオンになります。

受注オーダの[与信保留] フィールドが選択される条件は、次のとおりです。

  • フィールドを手動で選択した場合
  • 与信限度を超過したため、システムがこのオーダを保留にした場合
  • [与信保留の変更] ユーティリティがこのオーダを保留にした場合
注:  顧客が与信保留になっていて、[与信保留] フィールドが選択され、赤色の X が顧客のレコードに表示されおり、その顧客の受注オーダにも赤色の X が付いているが、受注オーダの [与信保留] フィールドは選択されていないことがあります。これは、顧客を手動で保留にした場合に起こります。システムは、その顧客の各オーダに赤色の X を付けますが、それらのオーダの [与信保留] フィールドは選択しません。

受注明細の与信限度超過時の処理

[与信限度の超過を許可] チェックボックス (新規オーダ明細でのみ更新可能) は、与信限度を超過する受注オーダの処理方法を決定します。受注オーダを保存する場合、1 つ以上のオーダ明細が与信限度を指定している場合、または顧客に利用可能な与信の合計を超過していると、システムではこのフィールドが評価されます。

  • このフィールドが選択されていると、受注オーダは、そのままの状態で保存され、オーダ明細の状況は発注となります。システムから、与信保留超過についての警告メッセージが表示されます。[理由] フィールド ( [顧客] フォームの [貸方] タブ上) で 理由 コードが定義されている場合、オーダがまだ与信保留になっていないと、 システムによってオーダが与信保留にされます。
  • このフィールドが選択されていない場合、計画の状況でオーダ明細が保存され、与信限度超過に関する警告メッセージが表示されます。システムは、顧客の [受注残高] を更新せず、オーダを与信保留にしません。その場合、後でこのオーダ明細に移動して、その状況を発注に変更するか、オーダ明細を削除するかどうか決定できます。

既存のオーダ明細に変更を加え、そのオーダ明細が与信限度を超えた場合、システムから与信限度超過についての警告メッセージが表示され、自動的にこのオーダが与信保留になります (与信保留の理由が定義されている場合)。

受注オーダが法人顧客の与信を使用している関連顧客のオーダである場合は、現在の受注オーダ金額が法人顧客の転記済残高に追加され、それに受注残高をプラスした額が、法人顧客の与信限度を超過すると、システムはこの受注オーダを与信保留にします。

与信保留のオーダの相互参照

受注オーダが与信保留になっている場合は、受注オーダ明細を相互参照できません。ただし、受注オーダが与信保留になる前にその明細が相互参照された場合、相互参照情報は維持されます。

EDI での与信保留の使用

Infor SyteLine EDI を使用する場合、 [EDI 顧客プロファイル] フォームの [与信限度確認] フィールドを選択することにより、顧客の与信限度を超過した EDI 受注オーダがシステムに転記されるのを防ぐことができます。または、 [売掛パラメタ] フォームの [与信保留限度超過理由] を選択することにより、顧客の与信限度を超過した場合、EDI が自動的に受注オーダをシステムに転記し、与信保留にするように設定できます。いずれのフィールドも選択されていない場合には、EDI 受注オーダは転記されますが、作成された受注オーダを与信保留にすることはできません。

マルチサイト環境での与信限度と与信保留の使用

1 つのサイトで与信限度を入力または変更すると、そのデータをレプリケートする他の全てのサイトで与信限度額が変更されます。各サイトにおける顧客の受注残高は、その顧客のオーダを全てのレプリケートサイトから累計した残高です。たとえば、顧客の与信限度が $100 であるとします。サイト 1 には顧客の $50 のオープンオーダが 1 つあります。サイト 2 には顧客の $25 のオープンオーダが 1 つあります。(この場合の「オープン」 とは、状況は 「発注」 ですがまだ何も出荷されていない状態を意味します。)その場合、顧客フォームでは、この顧客の受注残高は両サイトとも $75 と表示します。どちらかのサイトに $35 の新しい受注明細品目を追加すると、提供される受注残高は $110 になります。各サイトは与信限度内でも、提供される受注残高が与信限度を超えてしまうので、その明細品目は 「計画」 状況で追加されます。

マルチサイト環境では、受注オーダの 発生サイト で、受注オーダの出荷元となりうる全サイトに関して受注オーダの与信保留状況を管理します。

また、 [受注オーダ与信保留の変更] ユーティリティ をマルチサイト環境で起動すると、選択した顧客の全サイトにおいて処理が実行されます。システムは、受注残高と顧客の与信限度を照合して、与信限度が超過されていないかどうかを調べます。顧客の与信限度が超過しており、かつ

  • 出荷サイトが受注オーダの発生サイトである場合は、オーダが与信保留になります。
  • 出荷サイトが受注オーダの発生サイトでない場合は、警告メッセージが表示され、受注オーダは与信保留になりません。